❄零れる花よもう一度illust/53742367
(18歳以上推奨企画)
※モブが出てきます
❄お借りしました
ヒルダさんillust/54631022
ウィオさんillust/54631358
ハルさんillust/54631143
ホウスケillust/54631508
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補足でふれた「姉の願い」についてはっきりとは言及しなかったので、
すっかり時間が経ってしまいましたが編集後記としてここに残します。
(前提として『魂の眠る背に贈る』『其の上に立つ加護は足枷か』を読んでいただけると嬉しいです。)
それ自体は「魂の眠る背に贈る」にて実は明かしておりました。
結局のところ姉の願いというのは、ホウスケの糧として生を終えることでした。
チュチュカ達は元より少数民族でありフルールの毒に犯されてからというもの、一人また一人と同胞たちは先立っていました。
そんななかでホウスケの姉は、他のチュチュカ同様毒により身体の自由が効かなくなって、死の間際では目も見えませんでした。
このときホウスケは十代半ば過ぎ頃、姉は三十代手前というところでした。
ここで父を食した頃を明かしますと、姉が十代の頃、ホウスケは八つか九つでした。
父の肉は以後干し肉として、二人の生活を支えてくれました。
彼らは代々そのように生を引き継いできましたので、いずれ自分達は滅ぶということはおのずと理解していました。
それでも、抗うことのできない花の毒に犯されて死ぬことだけは、絶対に許しがたいものでした。
だからこそただ野たれ死ぬよりも、衰弱した身体であるが弟の血肉として死ぬことを選択させてほしい、
というのが彼女、そしてチュチュカたち全ての魂の願いでした。
(2016.7記)
2016-01-11 21:06:25 +0000