【千国大河】ユンリュハルク【最終期】

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■【id=50050950】企画元様。

断崖の城塞都市 ユンリュハルク
腕に大きな角をもつ人々の暮らす小さな山岳の国。
国へ通じる道は一本だけ、周囲の山々は非常に険しく、世界の片隅と言っても過言ではない。
しかし不思議なことに、この国では科学技術から情報システム、魔法的な文化までもが幅広く発達し、
また荒涼とした土地でありながらも草木が宿って、人々の食と健康を支えた。
一方で彼らはたいへん血気盛んで、かつ誇り高く、自らと国を守るために日々研鑽を欠かさない。
なぜこの時期にこれほど急速な発展が実現したのかは定かでないが、魔王の死後、
全世界を揺らした大きな歴史のうねりが、遠くこの地にまで波及していた証しなのだろう。
難攻不落の砦に住まうユンリュハルクの民が幻と呼ばれた時代は、今や遠い昔の記憶となりつつある。

第5期~第6期の情勢
ユンリュハルク一族の社会は長らく男性中心の実力主義的なものであったが、
その長く続いた慣例を初めて打ち破ったのが、先代のアスリ・ユンリュハルクであった。
彼女は実力をもってして史上初の女性首領に就任。
時に反感を持つ者たちの襲撃を受けつつも、武力のみに頼るのではなく、
多くの民と語りあい支持を得るという全く新しい方法でその地位を確固たるものしていった。
このことはユンリュハルクの政治史において非常に大きな転換点となり、
以後国民の意向が首領の選出に反映されるようになっていったという。
アスリの夫について詳しい記録はないが、この国へ多くの植物を持ち込み、
また医学の祖となった異国の男であったと推測されている。
彼の名は当時の薬草学の書物に必ずと言っていいほど記されており、非常に人望も厚かったようだ。
いずれにせよアスリの治世において、食糧事情の改善と医療の発展は特筆すべき点だろう。
彼女は子の成長に伴い座を退いたが、その政策の多くは次期首領を務める息子へと引き継がれている。
なお、彼らがそれを「祝祭」と考えていたかは定かでないが、
大々的に国で一番の強者を決める闘技会が行われるようになったのも、この頃である。

オズギュル・ユンリュハルク(Özgür Ünlühalk)
♂/23歳/186cm/赤の歴史書:500pt(強靭:200/知能:70/器用:10/機敏:200/幸運:20)
先代首領夫妻の息子で、現在の首領。とてもおおらかで細かいことは気にしない性格。
大体いつも笑っているが、戦闘狂であり戦いの場になると豹変する。本人曰く、野生の血が騒ぐのだとか。
両親のいいところ取りでスピードとパワーを兼ね備えた万能型だが、直情的で頭はそれほど回らない。
平時は熟考型であまり不用意な言動はとらないが、時々母譲りの決断力を発揮し周囲を驚かせることも。
食いしん坊で、食べられる植物に関してはめっぽう詳しい。

父:キムン【illust/54034045
母:アスリ・ユンリュハルク【illust/53887799
弟:リクン・ユンリュハルク【illust/54703182

■ 絆を結んでいただきました!
璃季さんillust/54367909
近頃ユンリュハルクの人々が噂をするのは、専ら「闘技会」のことである。
訓練の一環として一部の者たちが始めたというが、それは一種の娯楽として瞬く間に一大行事へと成長したのであった。
国で一番の強者を決めるという謳い文句ゆえ、当然首領であるオズギュルが敗北するわけにはいかない。
その前に突如現れたのは、少年とも少女ともつかない奇妙な容姿の旅人であった。

「なんだ、見かけない奴だな。ははっ、まあ似たような相手が多くて飽き飽きしてたところだ、丁度いい!
 手加減はしないが、すぐにくたばられても面白くないからな。精々楽しませてくれよ、っ!」
「…そうだな、お前が俺に勝てない理由、ね。
 俺にはお前が何のために戦ってるのかさっぱりわからんが、目的もなく相手を殺す術が身に付くと思うか?
 俺は、生きるため、生き残るために戦ってきた。俺が負けるときは死ぬ時だ。
 それ以上の理由がない限り、この先お前が俺に勝てることはないな。」

結果は、言わずもがなオズギュルに軍配が上がった。
以来その旅人は何度も再戦を申し込んでは、その度に打ちのめされて帰っていく。
けれど不思議なことに互いを不快に感じることはなく、むしろこの日課を楽しみしている節すらあった。

「うん?ああ、いいところにきたな。いいから手合わせは後だ。
 珍しい食物が手に入ったものだから、お前にも分けてやろうと思ってな。ほら、口を開けろ。」
「そういえば、お前最近は男の姿を見ないなあ。どうしたんだ?
 …え?鈍感?なんだかよくわからんが、便利なのに勿体ない。
 だってなあ、例えば夜中にちょっと散歩に出るとき、供は男のほうが安全だろう」

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長い時を経て、ユンリュハルクの山の景色も、そこに住む人々も随分と変わった。
彼らの関係も「友」から「相棒」、「首領とその右腕」へと形を変えていく。
そうして、また今日も、一つ絆を紡いでゆく。

「俺たちの角がどうして青くなるか、知っているか?昔から、死後魂が角に居場所を移すからだと言われているな。
 青い角を受け取るということは、死して尚その者と共に在るということ。だから我々は決して角を金で売らない。
 つまり、託す方にも受け入れる方にも、それ相応の意思と覚悟がいるということだ。」
「さて、璃季。俺はいずれお前にこの角をくれてやっても構わないと思っている。
 さあ、どうだ、お前にその覚悟はあるか?」

人も土地も、時の流れと共に移ろい、始まっては、やがて終わる。
けれど彼らが遺す魂の青い輝きは、今も変わらず人々の傍にあり続けているのだ。

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■最後になりましたが、ここまで共に歴史を築いてくださった、
くらきしろ様、熱子様、02様、北山様、けえ様、本当にありがとうございました!

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2016-01-11 10:53:40 +0000