企画元様【illust/52333018】
「大丈夫、貴方の事は私が守ります。お仕事ですから」
「私?さぁ、何だと思います?何でも良いんです。種族なんて、どれでも同じですよ」
「ああ、煩かったですか?好きなもので、よく鳴らしてしまうんですよ」
「私が翼を広げる前に、とっとと失せるのが利口だと思うがな?」
氷鈴(いすず)/男/外見20代/170㎝前後/一人称「私」二人称「貴方」「貴様」/水色髮・灰目
(人・雪女・烏天狗・虎狼狸・鬼)
氷雪を操る半妖。髪と同じ色の翼を有するが
広げると纏う冷気により周囲の温度を瞬時に下げてしまう為普段は仕舞っている。
先祖代々住まう山を守りつつ猟師をして暮らしており、時折人里に降りては肉や毛皮を売る日々を送る。
また、用心棒紛いの仕事も請け負っており、彼の前で赤紐の鈴を三度鳴らす事が依頼の合図となっている。
真面目で人当たりは良いが深入りはするのもされるのも嫌っている為人によっては冷淡に映る事も。
力の強い妖の血を多分に引き継いでいる為見かけによらず怪力。脚癖が悪い。
時折父親譲りの口の悪さが出てしまう事がある。
父親(半妖):錦槐【illust/53824788】
「父さん……また山に来た方を誂って遊んでいたでしょう
いい加減少しは落ち着いたら如何です?」
母親(半妖):神蛇 臨さん【illust/53825235】
「母さんの様に身も心も強い半妖になる事は私の永遠の目標なんです
だから、手合わせお願いします。後で苺大福奢りますから、ね?」
妹(半妖):神蛇槞さん【illust/54366299】
「槞は槞のペースで、好きな事をしなさい。私は今の槞が、可愛い妹が好きですよ
そうだ、久々に貴方の作ったお味噌汁が食べたいですね」
◆◆◆
普段は人間と大差の無い風貌。体温は少し低めだが熱に弱い訳ではない。
隠している翼には常に冷気を纏っている為触れるのは危険。翼を広げている時は大抵怒っている。
素敵なご縁を頂きました
一生を賭けて守らせて欲しい 赭羽さん【illust/54549971】
己の無事を、家族の平穏を、願って社で手を合わせる。
それは、長い仕事へ赴く前に行う儀式のような、気休めのような……気がつけば身に付いていたものでした。
その社に足を踏み入れた時に、誰かの視線を感じたのです。
敵意は無く、静かに私を観察している様でした。
視線の先に見えたのは、狐の耳と柔らかな翼。
「こんにちは、はじめまして、貴方はこの社の方でしょうか?
怖がらせてしまった様ですみません……お守り、良ければ一つ頂けませんか?」
その社には、気付かぬ内にお守りを授けてくれる神様が居るという話を聞いていました。
その方は神様ではなく妖でしたが、もしかしたらと、問い掛けてみたのです。
そうして一瞬、緊張が解けた様に思えたのですが、その方は言葉に詰まっている様でした。
あまり長居をしても困らせてしまうと思い、もしも作って頂けるのならまた後日、伺いますと
そう言い残して社を後にしたのです。
一方的な口約束、似付かわしくない好奇心。心がざわついていたのを覚えています。
その日を境に何度も足を運びました。
仕事の有無は関係なく、純粋に話をしてみたいと
その気持ちに突き動かされる様に、その耳を、翼を、夕焼けを照らしていた瞳を探しました。
初めて面と向かって顔を合わせた時に、その方が……貴方が差し出してくれたのは約束のお守りで
自分で言っておきながら驚きましたよ、本当に作って下さったんだと。
そうして貴方の笑顔を間近で見て、少し話をして、お守りを握りしめて帰ったあの日。
……とても嬉しかった。まるで子供の様に気持ちが弾んで、抑えられなくて
漸くこれが恋だと気付いたのです。
以来貴方は様々な顔を見せてくれました。
意外と悪戯が好きで、恋の話が好きで、人の幸せが好きで、その耳も尻尾もとても正直で。
そんな貴方の全てが愛おしくて、ずっと傍で見て居たいと
「貴方が私にしてくれた様に、私からも貴方に鈴のお守りです。遠くに居ても、貴方の平穏無事を祈っています」
守りたいと思いました。
このような身ですから、大事なものは少ない方が良いのでしょう。
大事に想うのならば、欲しないのが懸命なのでしょう。
ずっと自分に言い聞かせて、壁を作って生きてきましたが、貴方の炎はいとも容易くそれを溶かしてしまいました。
そうして気付いた事は、自分は案外欲の深い男なのだという事。
「貴方の事を守らせて下さい、仕事ではなく貴方を愛する一人の男として」
これからの長い時を共に歩んで行けたのならば
貴方を染めるのが私の色であるのならば、これ程幸福な事はないでしょう。
「ふふ、成る程。貴方もまた私を守って下さっているのですね……ありがとう御座います、赭羽」
2015-12-31 15:00:41 +0000