シノア達はグレンに合流するため、市役所の中を移動していた
すると突然部隊に遭遇した
優一郎「敵か!!くたばりやがれ吸血鬼!ぐわああああー!!」
斬りかかった優一郎だったが、鎖で締め上げられ、地面に倒される
シノア「優さん!!」
他の者たちも素早く武器を突き付けられ身動きが取れない
与一「みんなを離せ!!」
シノア「ダメです!与一さん!向こうにスナイパーがいます!!」
「ほほう、よく気が付きましたな だが場所まではわからんようだが さすが帝鬼軍の軍曹さんですな」
シノア「・・・あなたは!?」
「何か?」
シノア「どこかで会いましたかね?」
「さあ気のせいでしょう?世の中には似たような者は三人はいるといいますからな、部下の方々に武装を解くように言ってもらえますかな?わしらも帝鬼軍の方々と事を構える気はないんでね」
シノア「みなさん、武装を解除してください」
「以作、お前も離してやれ 兵四郎、久兵衛、八咫(やた)、お前らも得物をしまえ」
男たちから殺気が消えた
優一郎「ゲホゲホゲホ!このやろ・・・!」
シノア「優さん!!今はそれどころじゃないでしょう!?急ぎますよ!!」
「がんばってくださいよ、お若い兵士さんたち」
シノア達は薄ら笑いを浮かべる男をにらみつけながら先を急いだ
シノア「あの男たち・・タダ者じゃない、おそらくは元は帝鬼軍の高等『鬼呪』使い・・・それを従えてるなんて、あの男は一体?って、今はそれどころじゃないか・・・!」
以作「兄貴、あんなガキどもなんぞ、ぶちのめしてやりゃいいじゃねえか!あの程度の腕で軍とは笑わせるぜ」
「阿保か、よう見てみい あのままやり合とったら、お前がやられたかもしれんぞ」
以作「!?」以作の着物の袖が切れていた
一方グレンと深夜のコンビ攻撃をものともしないクローリーだったが
クローリー「あれあれ~何なの?僕と鬼ごっこがしたいわけ?走るの苦手なんだよねー」
相模屋「早く追いかけないと逃げられちまいますぜ?それじゃ私どもはこれで・・・」
チェス「待ちなさいよ、犬の分際でクローリー様になんて口の利き方なの!?」
用心棒たちが前に出る
相模屋「藤(とう)、神兵(しんぺい)、待ちなさい この吸血鬼のお嬢さんも何百年と生きてても、まだお若い・・・では、私がお相手すれば満足ですかな?」
チェス「あらぁ?いつも用心棒に守ってもらわないと外も歩けない臆病者さんにしては、ずいぶん強気な発言ねえー クローリー様ぁ、こいつやっちゃっていいですかぁー?」
クローリー「うーん・・・ま、好きにすれば?」
チェス「だってさ・・まずはそのでかい口を3倍にまで広げてあげるわ!!」
ガキィイイイン!!!
チェス「な、何!?」
相模屋「俺も忙しいんでな、ガキの相手をしてる暇はねえんだよ こいつを食らってみるかい?死にはしねえが、死んだほうがマシってくらい痛い弾丸だぜ?」
ホーン「チェス!!」
次の瞬間護衛達が正体を現した
ホーン「これは・・・!鬼!!」
クローリー「いや『半鬼』ってやつかな?鬼になりそこなった人間や吸血鬼、鬼ほどじゃないけどチェスにはちょっと荷が重いかもしれないねー」
チェス「早く言ってくださいよー!もう、クローリー様のいじわるー!!」
相模屋「それじゃがんばってくださいよ・・・行くぞ」
相模屋は半鬼たちを連れて出て行った
クローリー「鎖の切れた狂犬ほど危ないものはないってね、それを犬が飼ってるなんて こりゃ面白いジョークだね、この戦争誰が糸を引いてるのか知らないけど、それは楽しみにとっておこう おっといけない、いけない、鼠くんたちを捕まえないと」
ホーン「クローリー様、色々と楽しんでますわね・・・」
クローリーから必死の逃走を試みるグレンと深夜
深夜「なぁーにが『殺せたら』だよ、最初っから無理だってわかってたろ?」
グレン「いけると思ったんだ!!だが、俺たちの役目は果たした あとは逃げるだけだ!!」
深夜「『三十六計逃げるにしかず』ってやつ?だったら最初から手を出さなけりゃ逃げられたのにさー、『君子危うきに近寄らず』って知ってる?国語の勉強さぼってるからこうなるんだよ!『指揮官が勝てない相手に武器を振るうな』って偉そうに言ってたの、どこのどなたでしたかね?」
グレン「うるせえ!!大きな声出すな!気づかれるだろうが!!」
深夜「グレンが一番うるさいっての・・・あーあ、今まで殺されかかったの何度もあるけど、今度ばかりはさすがにやばいかもねー・・・もう一度食べたいなぁー天ぷらそばのあっついのを・・チュルチュルチュル!」
グレン「すきっ腹にこたえる音マネすんな!!」
深夜「悪うこざいましたね!あーあ、君と漫才しながら死ぬなんて、僕は世界一の不幸者だな」
グレン「こっちだってやっとれんわ!コンビ解散だ!・・・ってもういい!早く逃げるぞ!!」
クローリー「えー!?もうちょっと聞いていたいなー君たちの小咄」
2015-11-29 11:01:00 +0000