遥か昔からサードエンド大陸の民衆の間で口伝されてきた伝説。
それは、世界の岐路に際し、群青の空にひときわ輝く
十字の星が現れるというものだった。
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ゼカンドア、フィーアスイッド軍とサードエンドの軍勢が
激しく戦火を散らしあい、戦いはいよいよ最終局面に差し掛かるかといった頃。
毎夜毎夜、一片の雲も流れぬ、異常なほど明瞭な星空が天を彩っていた。
空の果てにはどんな天文学者でさえその名を知らぬ、白く大きな十字架の星が輝いている。
怒り燃えるように赤い星と海のように静かな青い星が、十字の星を守るように
その両端に鎮座していた。
世界の存続を望むものは赤い星の恐ろしい輝きにわけもない不安を覚え、
感受性の強いものの中にはその光を目にした瞬間「ひるみ状態」になる者や、
その日の夜にごうごうと唸り海に向かって暴走する汽車の悪夢を見た者もいた。
世界の終焉を望むものは青い星の静かな輝きに心癒され、
感受性の強いものの中にはその光を目にした瞬間「リフレッシュ」や「つきのひかり」を
かけられた状態になる者や、白く淡く光る少女の影のようなものを見た者もいた。
サードエンド大陸は昔から蒸気機関によって文明を成り立たせてきた。
この地に宿る「機械仕掛けの女神(デアイ・エクス・マキナ)」のようなものが
世界の岐路に際して、人々の前に姿を見せているのかもしれない、というのが
多くの者の見解であった。
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青の星の恩恵受けるも赤の星の妨害受けるも、
そもそも感受性強くないから気づかなかったぜ!
ってのもなんでもありです。
お好きに設定として使っていただけますと幸いです。
2015-11-29 04:32:47 +0000