草軽電気鉄道ホハ30形:
1933~1938年日本車輌東京支店製の半鋼製ボギー客車。
30号から33号までの4両が製作された。全長10300mm、自重5.6t。
車内はセミクロスシートだが、浅間山に近い側がクロスシートであり、
通路を挟んだ向かい側がロングシートとなっている。
このため、ロングシート側からも浅間山を眺めることができた。
このレイアウトは現在では各地の観光路線でみることができるが、
当時としては珍しい部類だったのだろう、あるいは軽便ゆえの狭さが生んだレイアウトなのかもしれない。
ブレーキ装置はいわゆる手ブレーキのみで空気ブレーキはない。
さて、イラストを見ればわかる通りこの客車は前後非対称となっており、片側2ヶ所あるドアのうち
1ヶ所だけ幅が広く、またこの幅広ドアのある部分は車端部が狭い。さらにこの側はデッキで仕切られている。
これは推測だが、この部分は車掌室として、あるいは臨時の手荷物置き場として使われたのではなかろうか?
廃車後、3両が静岡鉄道駿遠線に渡りハ113~115号となり、1970年の同線廃止まで働いた。
2015-11-05 14:11:11 +0000