お前は戦争に向かない
何度言われたか忘れるくらいには言われ続けた言葉
数を減らすのには長けている
けれど、質の良い敵を討ち取れない
だから戦争には向いていない、と
当然よ
私は永劫の戦いを望む者
強者との闘争の時間こそ至福
それが私の真理
だから、【強者を討ち取らない】のが私の心情
2本あった剣は岩の刃と合わさりさらなる巨大な刃となる
野太刀を掲げたその構える姿は瓜二つ
再現か?
同じ力で叩き潰すと?
いい度胸だと言わんばかりにカールハイツの目にも留まらぬ突進
一コマ置いて、ロゼもそこに突っ込んだ
常人には見えないその速度
勝負は一瞬だった
その一瞬で、カールハイツはロゼがとった奇行を見てしまった
突撃し、互いに急所を切り裂かんと振り抜こうとした瞬間
ロゼは刃を返した
刃と峰が軽く擦れ合い、互いの威力を削りあう
瞬時に2つの剣は解き放たれ
一閃
「ばかにしてるのか?」
余韻で横切るその時、ロゼにしか聞こえない声で呟く
ロゼの喉元に傷が刻まれていた
体の周りに電撃ほとばしる中、その顔は歓喜していた
「あら、こっからが本番よ?」
その一言にカールハイツは振り返り、二度目の突進を仕掛ける
振り返った先に居たロゼの刃は
星すら断たん、蒼い波導を纏う巨大な剣と化していた
鏡写しの構えから、山を斬らん一撃がぶつかり合う
一閃
二閃
三閃
四閃
五閃
一撃一撃が空(そら)を断つ
拮抗し続けるその攻撃に、カールハイツは違和感を感じた
「何のつもりだ」
「今回は彼の作戦にノッただけ」
歓喜の顔に見えたそれは、死の先を見た狂者の顔だった
これさえ止めきれば、また闘うチャンスができる
永い闘争を望む私には二度とないチャンスだ
「だから、貴方も生きなさい!」
これこそ、私なのだから
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こちら【illust/53136324】の続きとなります。
ロゼはこちらの作戦【illust/53142204】に乗り、【雷ノ走】の相殺に入りました。
目的は「カールハイツを生かし、またいつか闘う事」なので、最も相手の生存率が高い戦い方を選択したようです。
ロゼの状態
【雷ノ走】により、首元に傷を負いました。
さらに強力な電流を浴びており一見致命傷ですが、【こらえる】で耐え続けつつ、武器に乗せたドレインパンチで電撃を吸って少しずつ回復しています。
現在のロゼは、自身に対する攻撃にのみ、【雷ノ走】を【さきどり】し、【きしかいせい+ドレインパンチ+みねうち+こらえる】の篭った一撃で反撃、相殺を繰り返します。
上記のとおり少しずつ回復しているため、互角でいられるのは短時間となります。
お借りしました
カールハイツさん【illust/51008780】
死の先を行く者【illust/51120792】
2015-10-22 00:36:09 +0000