プランターの中で置物の振りをしてピンチillust/52644522を逃れたマタイさん。
彼の前に白いローブの青年が救いの手を差し伸べてきたと思ったら、いきなり水を与えられてillust/52704727プランターの土が濡れて固まってしまった!
「体が! ぬ、抜けないっ!!」
「あ、ごめん…」
ピンチは更に続いていたようだった。
そんな時、二人乗りのスクーターがマタイさん達の前を通りかかる。
「どないしたんですか?」
スクーターが止まると、かくかくしかじか青年ジェルジャが説明する。
了承した運転手のセリンはロープをマタイさんの頭の葉っぱに括り付け、もう片方をスクーターの縁に縛った。
「ほな、引っ張りまっせ」
魔導のエンジンの馬力でマタイさんはプランターからすっぽ抜けた。
ジェルジャの拍手の中、ちんちくりんの体が硬い地面に打ち付けられて少々引きずられる。スクーターが止まった。
「ねえ、大丈夫ズラか?」
泥まみれで倒れ伏したマタイさんの頭上から声がかかる。顔を上げ声の元の少年を見上げると、嘗ての懐かしい感覚がよみがえってくる。
「き、君は! まさかエドワード!?」
マタイさんは実の弟の名を呼びながら少年の両手を掴んでしがみ付いた。
「何でオイラの本名を知ってるズラ?」
「マグロフ、知り合いですか?」
「いんや、こんな狸の置物みたいな生き物知らんズラ」
ガーン! マタイさんはエドワード(マグロフ)に兄だと認識されなかった。
「俺だ、お前の兄のロバートだ!」
説明してもマグロフはこのちんちくりんが自分の兄のロバート(マタイさんの本名)だと信用しなかった。ロバートなんて名前はどこでもいるからだ。
弟は残念ながらマタイさんのこの滑稽な姿を見た事が無く、事情を知らなかった。
ロードカノン城に配属されてから仕事が忙しくてしばらく手紙で近況報告を怠ったのがいけなかったのだろうか。
そういえば、故郷の村宛てに送った手紙が自分の元に戻ってきてかなり久しい気がする。
「あ、おめえさん、ロードカノン白銀騎士団の団員さんズラね? オイラとおんなじ頭に葉っぱがある精霊種の司祭の少年はいるズラか?」
「だから、その司祭が俺で……」
マタイさんは弟に自分がその司祭だという事を信じて貰えなかった。
受難はまだ続く! 彼らの背後に何かが…。
(パラレル展開進行中のままあと1枚続きます☆ 間に合わなかったのでインターバルへ!)
■お借りしました
ジェルジャと精霊ミミ illust/51300546
監視者プランター illust/52628721
ディマイズゴアの保菌者 illust/52682637
魔導バイク illust/52169271
※魔導バイクはベスパ型の原付を勝手に拾ってきて修理して使っています。工事現場用のヘルメットはセリンの自前をマグロフに装備させています。
■自キャラ
薬師のマタイさん(3章) illust/52353911(ドリアードの兄)
鳴槌のマグロフ illust/50150493(ドリアードの弟)
招福のセリン illust/50279188(関西弁のおっさん)
やっとマタイさんとマグロフの兄弟で同じ勢力タグ!!
とりあえず再会はできました。
うわああ、ジャケットやマントの赤い線忘れてたぁぁ!! ノープレミアム故に差し替え不可能なのでそのまま行きます。ブログに上げる時は直して置きますね。
大道のブログ→http://mecuru.jp/blog/tsunamin273/6460
2015-09-29 07:26:13 +0000