旅芸人の一座シノアの一行は、実は殺し屋としての裏の顔を持っていた
彼女らは、絵師:安藤広重から 地方に巣食う悪党たちを始末してほしいと依頼を受けたのだ 東海道五十三次の絵にあぶり出しで隠された絵をヒントに、その悪事を暴き、悪党を仕留めるのが彼女らの仕事だ
今回の仕事は尾張の鳴海の宿、そこに赤く浮かび上がったのは女の絵
ここ鳴海の宿には、重蔵(じゅうぞう)というならず者が幅をきかせており、
広重によると毎年江戸から鳴海まで染物を買い付けに来る女性がいるらしい
それが染物を見るというより、まるで仇を見るような目で見るので、尋常でない様子を感じ取った広重から背後関係を探ってほしいということだった
早速シノアは、その女性が江戸の染物問屋五士屋の女主人:美十であることを突き止める
理由を尋ねると、どうやら仇を探しているらしい
相手は五士屋の染物職人だった 真琴
主人を殺して江戸を出奔したが、染物以外に生きて行く術を知らないので、たどり着くとしたらここしかないと踏んでいたのだった
そこでシノアと三葉は真琴が染めた染物問屋を探し当てるが、重蔵たちに捕らえられてしまう
さらに探索を続ける優一郎たちに追手がかかったのだった
優一郎と与一は重蔵を襲い、逆襲に出る
重蔵「な、なんだぎゃ、おみゃーらは!?」
優一郎「地廻りの重蔵だな?おめえのお目当ては俺らなんだろ?だから来てやったぜ」
与一「手下に通行手形を盗ませちゃ、助けるふりをして、女性をいたぶるのが常套手段なんだってね・・・あの美十さんにも、同じことをして いたぶろうとしたんだろ?シノアさんたちを返してもらおうか」
重蔵「ち、違うだがや・・・!!」
優一郎「何が違うってんだ!!クズが言い訳すんじゃねえ!!」
重蔵「俺たちはあの美十って女に頼まれただぎゃ、真琴って男を捕まえりゃ妾になってやるって・・・それに、事情を知りすぎたおめえらを始末してくれってな」
与一「美十さんが・・!?そんなわけないだろう!!」
重蔵「この期に及んで嘘は言わんぎゃ、あの女・・あの男には尋常じゃねえ執着心を抱いてるようだぎゃ、へへへ・・・こいつぁ裏に相当根深ぇもんがあるに違いねえだがや」
優一郎「この野郎!黙ってりゃぺらぺらと!!さっさとシノアたちの所に案内しろ!!」
重蔵「わ、わかったで、乱暴はやめてちょうよ・・・」
そして牢屋の中で再開した美十と真琴
美十「ようやく見つけたよ真琴!!お前を探すのにどれだけ苦労したことか・・さあ おとなしく私と来るんだよ、もうほとぼりが冷めたから 誰も気づきゃしないよ」
真琴「おかみさん・・勘弁してください!!私はもう戻りたくないんです!!」
美十「まだそんなことを言ってるのかい?いい加減にしないと、お役人に知らせるよ!?」
真琴「ち、違う・・・!私は旦那様を殺してなんかいない!!・・・旦那様を殺したのは・・おかみさん!!あんたじゃないか!!」
美十「そう・・・だけどね 私を本気にさせちまったのはあんたなんだ・・!!そのために邪魔だったうちの人を殺した・・だけど、お前が殺したようなもんだよ!!」
今回の仕事は悪党だけを殺しただけじゃ収まらないような、とても後味の悪いものだった
シノア達の殺し旅はまだまだ続く・・・
2015-09-19 14:46:35 +0000