戦場のメリークリスマス
オランダ人の血を引く南アフリカ共和国出身の作家、ローレンス・ヴァン・デル・ポストの小説 『影の獄にて』を、大島渚が、デビッド・ボウイと坂本龍一をフィーチャーして映画化した作品である。 公開は1983年だった。
映画は、第2次世界大戦当時、ローレンス・ヴァン・デル・ポスト自身がジャワ(当時オランダの植民地で日本軍の占領下にあった、現インドネシア)で日本軍の捕虜になった経験に基づく原作に即した作品。
坂本龍一演ずる捕虜収容所所長ヨノイ大尉と、デビッド・ボウイ演ずる英軍将校捕虜ジャック・セリアズの、立場を超えた愛と、立場ゆえの運命とを極めて抑制的に描いたものだったが、(少なからず実話の要素を含んでいたであろうのに)その奇妙な設定もあってか、映画としての評価は必ずしも高いとは言えなかった。
https://www.youtube.com/watch?v=AALrrgEOlvU
その設定ゆえ、世間ではホモ映画との解釈がなされ、配給もそうした解釈がなされるのを放置した、と言うかむしろ、その方向へ誘導したフシもある・・。https://www.youtube.com/watch?v=w3FpOcjrUcM
しかし、実際の映画は、そんな即物的解釈がされて良い様な作品ではなかったと信じる。
あれは、極限状況のなか、人種であるとか、捕虜と収容所所長であるとか言った立場を超え、人と人との深い共感と、その置かれた立場ゆえに自身の意志とは真逆の行為を成さねばならなかった運命とを描いた作品だった。
大島渚が映画作家として、一貫して追求したひとつの”愛”のかたちだったと思う。
ともかく、映画としてのドラマツルギーだの、クオリティーさえ関係なく、グラムロックで一世を風靡したデビッド・ボウイと、当時イエローマジックオーケストラで世界に日本の音楽を発信した坂本龍一を主役にした時点で、それだけで価値のある作品だった、そう思う。
映画音楽も、それが映画音楽初挑戦であった坂本龍一だったが、そのテーマ曲は時代を超え今なお聞き続けられている。
特にそのエンディング。ビートたけし演ずるハラ軍曹が捕虜虐待の罪で戦犯として処刑される前日、ハラを訪れた原作者の投影である英軍将校ローレンスとの別れのシーン、そこに静かに流れてきた坂本龍一のテーマ曲・Merry Christmas Mr. Lawrenceには、おもわず落涙したことを告白せざるを得ない・・。
https://www.youtube.com/watch?v=JWx8o5FI-Us
なお、ビートたけしの演技もまた光るものがあった。
のちの映画監督・北野武の原点は、まさに此処にあったと言える。
https://www.youtube.com/watch?v=4cP4GZx3R34
ビートたけしと坂本龍一の対談はこちら↓
https://www.youtube.com/watch?v=OPvDguiftzw
誰がどう評価しようと、個人的には日本映画史上の最高傑作であると思っている。
Forbidden Colours:禁じられた色彩は、このテーマ曲Merry Christmas Mr. Lawrenceに、坂本と親交のあった英国のロック歌手・デビッド・シルビアンが歌詞をつけ、歌ったものである。
https://www.youtube.com/watch?v=x1YkHJJi-tc
(お若い方はご存知なかろうが、デビッド・シルビアンの属したロック・バンド、その名もJapanは、ビジュアル系バンドの原点である)
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このPixivに加入してから、この戦場のメリークリスマスを、なんとかカタチに出来はすまいかと思っていた・・。
兎も角も、カタチにはしてみた。
・・にしても・・。これをデビッド・ボウイだと言い張ったら、熱烈なファンから刺し殺されるかも知んない・・。
今回写真使ったが、やはり似ない・・泣。
坂本龍一も・・難しいなぁ・・、適当な写真がないので、幾つか写真を参考にしつつイメージを固めたつもりだったが、やっぱり似ない・・号泣。
フンっ!オトコマエなんてキライだっ!泣
おまけ・・デビッド・ボウイの音源もありました。
https://www.youtube.com/watch?v=eI66hEv81fQ
2015-08-22 17:30:36 +0000