去る8月3日に逝去された作家・阿川弘之氏を偲んで鉄道ネタを。
海軍と鉄道をこよなく愛した阿川氏の作品から、
鉄道旅行記「南蛮阿房第二列車」に登場する「夕暮特急」こと、
アムトラック(全米鉄道旅客公社)の看板列車「Sunset Limited」。
ニューオーリンズとロサンゼルスを48時間かけて走破するこの列車は、
かつて、サザンパシフィック鉄道が合理化に次ぐ合理化で気息奄々だったのですが、
今やアメリカ中西部の広大な景色を楽しめる列車に生まれ変わりました。
阿川氏が乗車した1980年頃の「Sunset Limited」は、
この当時のアムトラック長距離列車の例に漏れず、
1971年のアムトラック発足時に全米鉄道各社から引き継いだ寄せ集め編成で、
荷物車に続く背の高い座席車は旧サンタフェ鉄道「エル・キャピタン」用ハイレベルカー、
ラウンジ車、食堂車に寝台車が数両つながり、しんがりは展望ドーム付寝台車でした。
機関車だけは新品で、EMDのSD45をベースに
旧型客車用の暖房用ボイラを載せたSDP-40Fが重連~四重連で牽引していました。
阿川氏はルーメットと呼ばれるコンパクトな一人個室寝台を利用したそうで、
サンセットならぬ、アリゾナの大平原に昇る朝日を堪能したとか。
同じ頃、ネスカフェのCMに出演されたありし日のお姿を紹介しておきます。
>https://www.youtube.com/watch?v=p76rMgCH_B0
2015-08-11 13:26:13 +0000