◆雨に染まる国 ラズワルディア
止むことのない雨により青く染まった国。
国には雨を貯蓄するための数多くの川が流れ、生活には欠かせないものとなっている。
降り続ける雨の影響で太陽の光は届かず、作物は他国からの輸入に頼っている。
代わりに観光事業と宝石産業が栄えており、国を訪れる者が絶えない。
いつからか『その国を訪れたものは幸せになる』と言い伝えられるようになったが、
その真相を知る者はほんの一握りである。
◆シアン
性別:女性 年齢:15歳 身長:152cm
一人称:わたし 二人称:あなた
ポイント:10
双子の兄:レイン(illust/51711510)
「レイン、レイン!………もう周りに人がいないから、お兄ちゃんでいいよね?」
「わたしね、とっても幸せよ。悲しいことも、つらいことも、何もないよ。何も痛くないもの。
ねえ、お兄ちゃん。お兄ちゃんはいま、幸せ?」
◆ユイの民
あらゆる感情を宝石にする力を持つ。
宝石は様々な色を放ち、淡い光を宿し続ける。
取り出された感情は持ち主の中から消えてしまうが、宝石となった感情は永遠に輝き続ける。
特に「幸せ」の感情を宝石にしたものは一等強く輝き、その力を持つ者が代々王位を継ぐ。
しかしラズワルディアで生み出された宝石は、降り続ける雨の影響ですべて青い色に染まっている。
そして青に染まる雨を見続けた瞳もまた、いつの間にか深い青い色に染まっていた。
◆同盟国であり取引相手:遊戯自治領ジュリシェシア、 キング・ロザンジュ様(illust/51885587)
「ふふ、ラズワルディアへようこそ。わたしみたいな子どもが王さまなの、そんなに驚いた?」
「悪魔と取り引き…いいわ、取り引きしましょう。だってあなた、悪いヒトに見えないもの!
わたしの国の宝石をあなたに。青に魅せられすぎないよう気をつけて、キング・ロザンジュ?」
「あなたのカジノ?はすばらしいわ。だってみんなが口をそろえて言うんだもの。『あぁ、幸せだった!』って。
これで幸せになれる。わたしの国民がもっと幸せになれる。ね、そうでしょう?これはとっても素敵なことだわ。
そうね、次は何をしましょう。ロザンジュ様、なにかいい知恵を授けてくださらない?」
「鳥かごで育った鳥にとってはね、かごの中が世界の全てなの。
外への憧れはあったとしても、逃げる方法は知らない。逃げようとする意志もない。
そもそも閉じ込められたなんて思ってないんだもの。
ロザンジュ様、どうかなにも言わないで。わたしはこれで満足なのです。
みんなが幸せならば。あなたの望むものが手に入っているのならば。
わたしはもう十分すぎるほどに、満足なのです」
「願わくば、この国の青が、幸せの宝石の青が、わたし自身の青が、
長い時間を生きるあなたにとって特別なものとなりますように…」
幼い王が大人になり、その短い物語を語り終えるのはあっという間のことでした。
傍らを離れることのなかった優しい悪魔、彼に心を奪われていたのは確かなのでしょう。
叶わない初めての恋をしました。
生きる時間が違うことに悩みました。
でも共に歩めることが、何よりうれしくて仕方がありませんでした。
少女のようなほほえみを浮かべ、彼女は最期に言いました。
「わたしはとても、とても幸せでした」
◆既知関係
・天泣のガタット、イルミナさん(illust/51711214)
『親愛なるイルミナ様。すてきなお手紙をありがとう。建国記念日、ぜひ行かせてくださいな。
またあなたと会えるのが、今から楽しみで仕方ないの。
そうそう、この前話していたことなのだけれど、実はね……』
◆次世代
シャルレイ(illust/52448451)
「あなたの自由を奪ってしまったことは謝ります。だからこそ、この国の幸せと共に、あなたの幸せが見つかりますように。
そう祈らせてください。本当に、ごめんなさいね、シャルレイ…」
クイーン・エペ(illust/52306303)
「あなたのような人が側にいてくれるのなら、あのヒトもきっと寂しくないわ。
エペ。どうかあの人のことを、支えてあげてください。私にはもう、できそうにないから」
企画元:千国大河(illust/50050950)
2015-07-31 15:07:10 +0000