『オイオイどうしたんだメンテ なんか随分消耗してそうだな』
「確か燃料として魔力の高い物を持っていましたよね。魔力を使い過ぎたんですか」
「む。どこか覚えはあるが、誰だ」
『っと、ちゃんと戦鎧見せるのも初めてだったな、一旦戻すぜ』
「ええ、どうぞ」
─
「しかしオマエもあの場に居たんだろ、ありがとうなメンテ」
「私は何をしたわけでもない。感謝される意味がわからないが」
「居てくれただけで感謝されるぜあの状況。オレの相棒は随分とぼんやりした存在みてェでな
アイツ自身消えるとこだったんだ。オマエを見て何か思い出すとこもあったンだと」
「ニンゲンとはそういうものなのか」
「案外そういうモンだったりすンのかもなァ。ニンゲンじゃねェからイマイチわかんねェけど」
「種族も違えば構造も機能も違うのだろう。同じではない」
「だよなァ。でもよ、自分にハッキリ意思があるし伝えられるって点では同じだろうし
それに案外楽しいモンだぜ、フリだとしてもニンゲンみたいに生きるのも、一緒に生きてくのも」
「ニンゲンの、ましてやその振る舞いに意味などあるのか」
「ま、少しでも近付けたらイイなっていうオレなりの望みかねェ。オレはヒト好きだからな!」
─
「メンテは前の世界―レギリアだっけか、から渡ってきたんだろ。不調とかねェかい?」
「不調……」
「世界渡ったおかげでオレは機能が破損してるし、相棒は記憶が無くなってくんだ。
まーデメリットがあンのはオレらの渡り方が荒いだけかもしれねーけどな!」
「…………」
「アッ!あとオマエがくれたコレコレ、この石とか他のも役に立ったんだぜ!ありがとな!ンで、これお返しな!」
「……お前はよく喋るな」
メンテは無言で石を受け取ると聞いているのかわかりにくい反応を返した。
青い炎を纏う機械。どこか懐かしくも感じるが、全く覚えはない。
ひとつわかる事は、その機械が今相棒と話している相手ではないということくらいか。
……考えを改めなければならないようだ。
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メンテに礼が言えてよかった。
なんだかメンテのヤツも無茶してそうで心配だけどなァ
でもまァ、あんまり相棒にもこういう話できねェから話せてよかった。
前回は大して会話もできなかったし色々もらっちまったのに割に合わなかったからな
同じ異世界の機械同士仲良くしようや。
もちろん相棒ともよろしく頼みたいけどな!
こちら【illust/51386016】より
お礼と、またちょっとしたお話をしに顔出させていただきました。
メンテさんには以前こちら【illust/50924135】で拾ったゴーレムの心臓石をお渡ししました。燃料としてよければ。
色々と好き勝手にしゃべっているのでパラレル・スルーご自由にお願いします。
■お借りしました!
メンテさん【illust/49675797】
■デストラ・クロナード【illust/49680825】 現在の戦鎧:灰尭【illust/51439806】
pixivファンタジアT第二章 魔法の世界メイジア【illust/50580029】
-夕日を眺める黒-
この世界に来て俺にとって色々なことがありすぎた。
魔法、杭の破壊、あの世界、他人と世界への想い、青い炎。
本当に、俺が抱えていていい問題なのだろうか。
それでも今更話せるわけがない。
今まで俺はどれだけ「どうでもいい」と相棒の話を蹴っただろう。
自分の話もしないまま忘れてしまっている。
そんな俺がデストラに何を意見できるだろう。
「やはり自分で解決するべき問題でしょうね」
2015-07-27 00:16:47 +0000