機動武闘伝Gガンダムvsハピネスチャージプリキュア!

くらぶまん

某月某日、ぴかりが丘、川沿いの土手。一人の男性が幻影帝国の尖兵と戦っていた。
本来生身の人間では勝負にすらならない圧倒的な強さを誇るサイアークとチョイアークに対し互角以上の戦いを行う男性の名はドモン・カッシュ。
コロニー格闘技の覇者でキング・オブ・ハートの称号を持つ、目下世界最強の格闘家だ。
ガンダムファイト優勝者でもある彼がガンダムに乗れば戦力としては数百倍にもなるが、ガンダムを呼ばないのは幻影帝国が作った傷跡はサイアークを浄化すれば元に戻るがガンダムが破壊した構造物は人間が修理しないと元に戻せないからだ。
「はぁッ…てぇりゃあッ!」
気合一閃、ドモンのキックがチョイアークに命中すると、普通の人間では浄化できないチョイアークが昇天していく。
彼を最強たらしめた、明鏡止水の境地に達した者の技だ。
「しかし、キリがないぞ!一体何匹居るんだこの雑魚は!」
ドモンが呻く。いかに超人的な力を持とうとプリキュアほどではない彼は疲労を隠せなくなっていた。
「う~ん、武器も持たない人間がここまで粘るとは…面倒くさいですぞ。サイアーク!さっさと片付けなさい!」
幻影帝国指揮官の一人、ナマケルダが面倒くさそうに言い放った。サイアークがドモンに向かう。
「サイア~~ク!」
サイアークの拳がドモンをとらえたと思った瞬間、ドモンはサイアークの力を利用してサイアークを投げ飛ばす。
「はぁっ、はぁっ…流石に少々厳しいな…」
ドモンは長引く戦いで明らかに疲弊していた。
「ドモン!大使館と連絡がとれたわ!キュアフォーチュンがこちらに向かってくれている!」
木陰で戦いを見守りながらあちこちと連絡を取っていた女性…ドモンのパートナー、レインが声をかける。
「有難い!だがフォーチュンだけか…他のプリキュアは?」
「それが…今日はあちこちで同時多発的にサイアークが現れていて…他のメンバーはそれぞれ分担して戦っているそうよ」
ドモンとレインのやりとりを聞いていたナマケルダは
「プリキュアまで来るとはいよいよ面倒くさいですぞ。サイアーク、あとは任せました。私は帰って昼寝しますぞ」
ナマケルダはだるそうに言うとどこかへ消えてしまった。
「くっ…逃げられたか…いや、幹部が帰った分こちらは有利になったか…」
「ドモン、大丈夫?他に誰か呼べないか調べましょうか?」
レインが声をかける。
「いや、チョイアークだけはなんとかなりそうだ…サイアークにされたサイ・サイシーも救いたい」
ドモンはそう答えると気を集中し始めた。彼の身体は光の玉となり、光が渦を巻きだす。
「超級!覇王!電影弾!」
ドモンはチョイアークの群れに一気に突進し、次々にチョイアークを跳ね飛ばしていく。
「浄化ッ!」
ドモンが着地し、そう叫ぶとチョイアークの群れは全員一斉に昇天した。最早常人の技ではない。

「凄い…これがキング・オブ・ハートの力!?」
少女の声が土手に響く。
「キュアフォーチュン!助かったわ!」
レインが叫んだ。少女こそキュアフォーチュンだった。
「遅くなってごめんなさい!夜空にきらめく希望の星!キュアフォーチュン!」
「来たかキュアフォーチュン!悔しいが俺一人の力ではサイアークは足止めで精一杯だ、共に戦ってくれ」
ドモンが声を発した。明らかに疲れ切っている。
「もう休んで頂いても大丈夫です。私一人の力でサイアークは倒せます」
フォーチュンは答えると一気にサイアークに突進し、空手の技でサイアークに挑む。
「…氷川流!?」
ドモンがフォーチュンの技を見抜いて呟く。
しかし、フォーチュンの技量と超人的身体能力をもってしても、原型が格闘家のサイ・サイシーであるサイアークは素早く、中々技を当てることができない。
「くっ…早い!」
フォーチュンは明らかに苛立っていた。
「キュアフォーチュン!俺が奴の隙を作る!その間に浄化技を発動しろ!」
ドモンが叫ぶ。
「え!?疲れ切ったあなたにそんな無茶をさせるわけには…」
「人間は一人では戦えない。それはプリキュアも同じだろう。違うか?」
「そ、それはそうですけど…」
「大丈夫だ、ギリギリ最強の技を叩き込む程度の体力は残っている。」
「…わかりました。」
会話が終わるとドモンは再び気を集中し始める。
「俺のこの手が光って唸る、お前を倒せと輝き叫ぶ!必殺!シャァァァイニング・フィンガァァァァー!」
ドモンがそう叫んで気を集めた右の貫手をサイアークに叩き込む。
完全にサイアークの胴体を捉えたシャイニングフィンガーはサイアークを吹き飛ばし、対岸の土手に埋め込んだ。
「今だ!キュアフォーチュン!」
ドモンがフォーチュンに促す。
「わかりました!星の光を聖なる力に!ラブプリブレス!」
フォーチュンは星形のエネルギー弾を作り出すとサイアークに向けて飛ばす。
「星よ、天に帰れ!」
フォーチュンが叫ぶと、サイアークは昇天した。
と同時に封印されていたサイ・サイシーが正気に戻る。
「あれ?おいらは何を…」
サイの疑問にレインが答える。
「あなたはサイアークにされていて、キュアフォーチュンが助けてくれたのよ」
「そうだったのかぁ。ありがとよ、キュアフォーチュンの姉御!」
サイが間の抜けた声で感謝を表した。
「あ、姉御ぉ!?」
フォーチュンは戸惑う。唐突に姉御呼ばわりはさすがに初めてだ。
「だっておいらより年上に見えるし」
サイはなんだか的外れな事を言い出す。
「…まあいいわ。それじゃ、私はこれで。ドモン・カッシュ、ご協力感謝します」
フォーチュンは踵を返すと大使館の方向へ帰ろうとする。
「待て!キュアフォーチュン!」
ドモンが声をかけた。
「はい?」
フォーチュンが足を止め、ドモンの言葉に耳を傾ける。
「お前の拳…確かに強いが、怒りと哀しみを感じる。かつての俺のように…」
「怒りと…哀しみ…」
フォーチュンの顔が曇る。
「言いたくないだろうから事情は聞かん。だが近い将来お前はそれを乗り越える。そしてその時もう1ランク強くなるだろう。俺の勘だがな」
「…ありがとう、ドモン。でも、そこまで見抜くなんて、さすがガンダムファイトの覇者ですね」
「恐らくは俺と近い事情…そう思ったから言ったまでだ」
「多分、当たってます。…それと、私の技が氷川流空手だということは秘密にしてくださいますか」
「ああ、プリキュアには色々事情があるらしいからな。その点は大丈夫だ」
そんなやりとりの後、フォーチュンは大使館に帰って行った。
(怒りと哀しみ…)
フォーチュンはドモンの言葉を反芻しながら、姉まりあ…囚われたキュアテンダーの事を思い出していた。

#image response#happinesscharge precure!#Cure Fortune#イメレスチャージプリキュア!#Mobile Fighter G Gundam#caption novel#幻影帝国と戦っているのはプリキュアだけではない!

2015-07-17 07:34:46 +0000