若苗様、あのね。お願いがあるの。
青空の下に連れて行ってくれたら、そこで貴方の舞が見たい。貴方と出会った時のあの舞を。
貴方のことを、好きになったきっかけだから。
きっと今私がここに立っているのは、若苗様がいたから、だと思うから。
それから、その……抱き締めて、ほしくって。生き残ったって実感したくて。これでもあの父様の血を引いてるのよ?……ほんとはずっと怖かったんだから、このくらいのワガママ許して頂戴ね。
ねえ、若苗様。ずっと貴方のこと、大好きよ。
ただひとつのPixiv Merely One Ending【illust/44307098】
「アイレンベルクの血に恥じぬ物を創り皆を支えましょう。炎眼族の血に恥じぬ立ち振舞を以て最前線で戦い続けましょう。そして最後には、父様と母様が灯し続けた、私達が愛した光を、もう一度世界に!」
名前:ラウラ=ネネン・アナクス・アイレンベルク
仮名:纏 黎憐(チャン リーリィェン)
水の部隊/女/18歳/155cm
一人称:私 二人称:貴方、君
*ステータス
合計 530 (父370+母150+自由10)
Main 戦力:340 Sub 生命力:90 Sub 運:100
*家族
父:リヒト【illust/50131358】
「優しいから、つい甘えてしまうけど父様はもっと厳しくなるべきだわ……ああでも物づくりに関しては厳しいところばかりよね、いつか父様を納得させる雨傘を作って見せるんだから!」
母:ムネモシュネリリカさん【illust/50171418】
「母様は私の憧れで、尊敬すべき人で、超えるべき目標。…そして、いつか母様と並んで戦えるようになりたいの。だからいつまでも元気でいてほしいなあ」
弟:ヒュペリオンリリカくん【illust/50925831】
「もう、そんな辛気臭い顔しないで頂戴!大丈夫よ、凰輝が、家族が待つ帰る場所がある限り私はちゃんと生きて帰るから、そんなに心配しないで?そんな顔で迎えられるよりも、笑顔で迎えて欲しいわ!」
*6/30 素敵なご縁をいただきました
籐水 若苗さん/ワカナエ・シュアン=トウミさん【illust/50862963】
(……なんて、素敵な舞なのかしら)
初めて見た彼の舞う姿は、それはそれはとても美しく洗練されたものに見えて、その日から何年も経った今でも容易に思い出せるほど私にとっては大きな衝撃だった。そのあと、いつもなら家族以外に教えることのない本当の名前を思わず名乗ってしまったくらいには。今思えばこの頃から彼に対する感情は特別なものだったような気がする。
「あら、御機嫌よう若苗様。そうね、いつも通り、ってところかしら。貴方こそ急な雨に降られて気分はどうかしら?ああでも嫌なんて言わないで頂戴ね、外で貴方とお話出来なくなっちゃうわ」
「無理をしているつもりなんてないわよ。……でも、そうね。貴方がそういうならお言葉に甘えるわよ、奢りとかそんなのはいらないから…その……私を妹だとでも思って目一杯甘やかして欲しいわ。若苗様と一緒ならどこにいたって楽しいもの。(……でもやっぱり、妹だと思われるだけっていうのは……)」
「自信をなくす、の意味が分からないわ。たとえ月や星が消えてしまって貴方の力が無くなってしまったとしても、私は貴方の舞がとっても好きで、見せてくれるだけで力が湧いてくる気がするの。戦場で立ち続ける力になるのよ。それって他の人じゃできないことよ、もっと誇っていいと思うわ。……あ、あんまり励ましたりするの得意じゃないから、変なこと言ってたら、ごめんなさい……」
彼は雨を好きだと言った。私は雨がそんなに好きじゃなかった。この傘はお気に入りだけれど、湿気はすごいし服も靴も濡れていく。なにより毎日目に入る曇り空と憂鬱そうにする人の目が、好きじゃなかった。
だけどいつからか、雨が好きになっていた。嬉しそうに笑ってくれる貴方がいたから、貴方と傘の下で話しをするその時間が、大好きだったのだ。
彼は、青空の下へ連れて行ってくれると言った。これからも一緒にと、笑ってくれた。その日、私の覚悟はようやく決まったのだった。
「ねえ、若苗様。私には夢があるわ。青空の下で、大切で大好きな貴方と一緒に歩きながらたくさん話しをして、笑っていたいの。そのためなら私、どんなに辛くても頑張れるわ。貴方と一緒ならどんなに怖くても、傷付いても、立っていられる。
だから……本当に私と一緒にいてくれるなら、この傘を受け取って欲しいの。それから、私の名前を呼んでほしいわ。皆には教えてない私の本当の名前、貴方だけはとっくに知ってるもの」
ああでも、どうせもう傘は必要なくなるわね。ほら、もう雨は上がった。
「ワカナエ・シュアン=トウミ様。私は貴方を、死んでも愛すると誓うわ。……ふふ、大好き!」
*スキル
【創呪《雨傘》】アイレンベルク家に伝わる呪い。雨傘に魅入られたラウラの場合、野外に居る間自身の周囲にはまるで炎を拒絶するように延々と雨が降り続ける。それをただ退けるためではなく、まだ見ぬ誰かの身にかかる不幸を退ける為に己の全てを懸けて雨傘を創り上げたとき、呪いは解けるだろう。
【Mens agitat molem】
愛用の品を自らの意思で自由に動かすことができる。宙にだって浮かせちゃう。
愛用の品が傷ついたり壊れたりした場合、本人にも同程度の怪我を負う。
浮かせているのは近くに来る人が雨に濡れぬよう常備してる簡素な傘と父がくれた洋灯、そして祖父がその生涯の最期に完成させた、それにしては簡素な置き時計。
【調香】代々伝わる調香術。本人は紫陽花のようないい香りがする。
【焔】炎眼族の固有スキル。発動者の命を代償に発動する炎眼族最終奥義。全身に命の炎を身に纏い特攻する。
【炎舞錬石】闇を取り込み、自らの片目に宿る炎を用いて無害な石ころに変える。出来る石ころはほんのり水色で持っていると良い事があるかも?
*既知関係
幼馴染:ファイくん【illust/50816461】
「あら、ファイじゃない。どうしたの……ってああ、手紙?ごめんね、ほかの手紙は雨で濡れなかった?無事だったならいいのだけれど……こんな雨の中手紙を届けてくれる貴方にはいつかお礼をしなきゃいけないわね、私の周りに雨が降らなくなったらおいでなさいな。そうしたらきっと、分けてあげられる幸せがたくさんあるわ」
2015-06-25 19:30:16 +0000