「谷風君、私は ずっとあなたを思っていたのよ・・・」
谷風は赤いゆりかごの中で懐かしい声を聞いた
「星白・・・」
星白閑(ほしじろ しずか)が奇居子(ガウナ)の攻撃で自らの機が暴走し、シドニアへ自力帰還不可能となった時、谷風長道は自らも帰還不可能となるのを覚悟で助けに行った 二人で数日間漂流するうちに、閑は長道に淡い恋心を抱くようになったのだ
だがその後、閑は岐神に陥れられた長道を助けるため 奇居子に捕食され死亡した
それは長道に深い傷跡を残した・・・
愛する者を救おうとする行為が 愛する者を奪ったのだ
しかも、それは自分がきっかけになってした事だ
長道はずっとそれを悔やんでいた
「星白・・すまない!!俺は・・俺のせいで!!」
「いいの、もう いいから 私のところへ来て・・・」
閑はゆっくりと長道を引き寄せる
「星白・・・」
しかし、次の瞬間 その姿に驚愕する
そして長道は絶叫した
それを後ろから見ている者が笑いながら言った
「谷風長道 怪物となった恋人に食われてやるのか?奇特なやつだな・・相手を食うか、食われるか、色恋沙汰というものは命がけだ 気をつけなくちゃいけねえな 奇居子も人間も根は同じよ お互い自分の欲しいままに生きているからな お前たちがするべきこと・・答えは二つに一つ やるか、やられるかだ・・・」
2015-06-25 11:57:48 +0000