黒い森の縁に久方ぶりのソル(太陽神)が現れ、冷たい霧は吹き払われた。そして泥濘と曇天、長い待機命令に飽き飽きしていた我々はようやく喜ばしい徴を見出した。血相を変えた伝令が将軍の天幕に出入りし、緋の外套を靡かせた彼が戦列にやって来たのだ。投射部隊から油の匂いが漂い、シリア人弓兵が嬉々として弦を張るのを見て何が始まるかを悟った我が大隊は彼を熱烈な歓呼で迎えた。常に”コンミリーテス(戦友諸君)”で始まる将軍の簡潔な演説はこう締め括られた。"諸君の利き腕で輝かしきローマの歴史にさらなる一頁を刻み、陛下には平和を手土産に帝都へお帰り頂こう"と。"ローマ・アエデルナ(永遠なり)!ローマ・インウィクタ(無敵なり)!!"沸き立つ全軍団の唱和で湿った大気が震え私は勝利を確信した。激しく気勢を上げるクァディ族も今日で見納めだろう、皆の慈悲はとうに品切れなのだから。『ゲルマニア戦記・第18巻』より――いつもの妄想です。史実では彼らの悲願空しくマルクス・アウレリウス・アントニヌス帝は病身を押して前線に留まりそこで死を迎えました。BGMはhttp://www.youtube.com/watch?v=wFpZPZ_g4Hwで。全市民と陛下の為に雷神ユピテルが如く攻撃開始!!
2009-07-11 05:25:39 +0000