帰り道の雨

「ヘルサレムズロッドに青空は無い。しかも今日は生憎と土砂降りの雨、勿論傘は忘れた。道の前では背の高い男が一人、馬鹿みたいに両腕を広げてくるくると回っていた。声は二つ、笑い声と悪態。おかしなやつには関わらないに限る。下手すりゃ命が危ない。でも急ぎ足で通り縋る時に目に入ったそいつの顔があまりにも笑顔で、あまりにも楽しそうなものだから、一瞬ありもしない青空が見えた気がして、それが目に焼き付いて離れなくて、家に戻ってからも何度か窓を覗いて空の色を確かめてしまったんだ」～あるHL住人の心の日記～