きいん…、きいん…、と呼応するように甲高い音が鳴る。
目を開いているのかどうかもわからぬ闇の中で、ただただウルは足を動かす。踏みしめる感覚は硬いが、それに付随するはずの硬質な音はせず、靴裏から感じる硬さがなければ歩いているということさえもあやふやになりそうだった。
きいん。またひとつ、音が鳴る。
闇はこの音以外を塗りつぶし、飲み込もうとしている。事実、ここに運悪く入り込んでしまった力無き者たちはこの押しつぶすような黒に飲まれて消えてしまうのだろう。体も、声も、魂も、すべて解けてしまうのだ。
だがウルは音の先に探し物があると知っていた。それは経験からくる予測でも、世界移動に使ったのがそういう術だからという知識でもなく、ウルが"ウル"であるからこそわかる本能めいたものだった。
だからウルは歩みを止めない。止まらない。呼応する音に向かい、着実に歩いていく。
きいん、きいん。音の感覚が狭まってゆく。
次の世界はいったいどのような世界かと胸を膨らませながら、もはやサイレンのようにしか聞こえなくなった地点を蹴りぬいた。
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>>インターバル大遅刻勢<<
一章中はヒルコさんプ二っただけで終わったけど二章こそはといきこんでたらさっそくこれだよ!!
遅筆さ加減に泣きたいけれども次が、ガンバリマース…(滝汗)
表紙のみですがお借りしました
どんどんがめる亭のお二方(illust/49675264)
ウル(illust/50092808)
角はメイジア着いたらまた生えてます
結局ウルは何やってたの?って話ですが、奴は護石の原料である自分の角と、手持ちの岩眼玉を組み合わせた術補佐用アイテムを作りまして、世界と世界の間に入り込んだのです。護石の効果で術を強化し、かつ岩眼玉と岩眼玉が共鳴するようにしてたので間に潰されずに世界移動出来る、ということです。
問題などございましたらメッセージなどで教えてください
2015-06-07 17:33:53 +0000