静岡県の東海道本線藤枝駅と袋井駅から御前崎を結んでいた静岡鉄道駿遠線は、戦時統合によって静岡鉄道となった二つの軽便鉄道を新線建設によって接続した全長60kmあまりの日本最大級の軽便鉄道でした。静岡鉄道の車両といえば、自社工場が高い技術を持っており車両の自社製造を良く行っていましたが、駿遠線最後の新造車両として1965年に登場したのが本作のDD501号ディーゼル機関車です。本車は日本の762mmの一般営業用軽便鉄道では唯一の箱型ディーゼル機関車で、エンジンにいすゞDT100TPに新潟鉄工所製のDB115形液体変速機を使用した出力188馬力の液体式ディーゼル機関車でした。台車は電車用の台車を改造したものだと言われています。車体は箱型で塗装は同線が紺色とクリームという国鉄の横須賀線色だったのに対し、同社の清水市内線の電車と同じアイボリーに赤帯で異彩を放っていました。
登場時、駿遠線は中間部分が廃止され東西に分断されていましたが、本車は東の藤枝側に導入され、朝ラッシュ時に運転されていた客車5-6両からなる長大編成の通勤通学列車に使用され、その強力な出力を生かし活躍しました。しかし、本車の現役の時代は短く、登場御わずか5年後の1970年に駿遠線は廃線となり、廃車となりました。廃車後、使用されていたエンジンは漁船に流用されたと言われています。
本作は「軽便探訪」に掲載されていた図面を元に1.5/80スケールで作画したものです。
参考:軽便探訪 新井清彦 機芸出版社
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%99%E5%B2%A1%E9%89%84%E9%81%93%E9%A7%BF%E9%81%A0%E7%B7%9A
2015-05-31 09:36:29 +0000