かわいそうなオーク

はるなつあきふみ

 昔々あるところに、オークとエルフが存在する世界がありました。 
エルフの気性は荒く、乱暴で有名でした。
対して、オークの気性は優しく平和的でした。
ある日オークが木の実狩りから帰ると、弟がいなくなっていたではありませんか。
オークは必死で弟を探しまわりました。
山を越え、谷を越え、川を越え、月日は流れ、やっとの思いでエルフの住む街にたどり着きました。
そこには、痩せ細り変わり果てた姿の弟や、仲間達がいました。
なんと、エルフは子供のオークを捕らえ奴隷として扱っていたのです。
オークは泣きました。
何故、こんなことをするのか。
どうして弟達が奴隷にならなければいけなったのか。
オークにはわかりません。
オークは思いました。『オデ エルフ ユルサナイ・・・』『オデガ ミンナ マモル・・・』
彼は暴れました。
エルフの街では三日三晩、エルフの悲鳴とオークの慟哭が響いたと言います。
そして、彼は死にました。
この出来事を境に、エルフは考えを改め、オークを捕らえることはなくなり二つの種族は平和に暮らしましたとさ。
エルフの街では奇跡的に死者は出なかったそうです。

#orc#elf#original#impasto

2015-04-25 17:57:05 +0000