前略貴樹くんへ【やあ日刊桐沢85／東京・栃木】

おとなになったら『秒速5センチメートル』を冷静に落ち着いて楽しめるようになるのかと思ってました。もう20代も後半に入っているのに、今回も七転八倒したくなってしまいました。

遠野くんと篠原さんが「アノマロカリス」の話をしおるころ、わしらはデジモンで盛り上がりおったので、まあいろいろ遠い世界です……。新海監督が短編映画『彼女と彼女の猫』を自主制作しおったのって、会社員をなさってた26、7歳のころじゃったんですね……。落ち込むゆうか、あせります……。

東京の電車は車両がいっぱいつながってるから、踏み切りを通り過ぎるまでの時間が長いですね。地元の路線だと大体２車両編成なので、あれが広島じゃったら明里ちゃんを見失うことは絶対ないです。

東京も栃木も鹿児島も、どれも一度も見たことのない景色ばかりなのに、いつかどこかでみたことあるような気分にさせる『秒速5センチメートル』はぶちおそろしい作品です。