ライトスタッフ The Right Stuff

ふじみのる
Preview Images1/22/2

オレにとってライトスタッフと言う映画は、アメリカ合衆国と言うものをどう捉えるか、
そのカギになるような映画だった。いつか自分なりのイメージにしてみたい、そんな風に考えていた。
出来栄えは・・・・・ま、オレの技量じゃ、こんなもんだわね・・・・。
(アタマがでかくなる悪い癖が取れない・・クロッキー帳だと気づかないのだが、PC画面に載せるとイヤでも目について、げんなりする・・精進、いや、勉強しなおしだな、こりゃ・・)
*************************************************************************
アメリカ合衆国が好きかと問われれば、否と答える。
愛する事ができるようになるかと問われれば、未来永劫、愛するようになれはしないと答える。
アメリカ合衆国がわが国に原爆を投下した事実を忘れてはならない。
忘れていなければ、アメリカ合衆国を”愛する”などと言う事は出来ないハズだ、そう考えている。
核兵器はまさしく通常兵器と異なる。
その絶大な破壊力はもとより、その放射能の影響は遺伝子欠損を招き、戦争終結後も、長期に渡り災厄をもたらし続ける。
つまり、核兵器を使用すると決めた側は、平和を取り戻したあとも相手を許さない、もっと言えば
相手を根絶やしにしてやるとでも考え無い限り、使うことなど出来ない兵器のはずなのだ。
1945年、アメリカ合衆国の首脳らは何を考えて、日本に原爆を投下すると決意したか。
その根底にあったのは、第3次世界大戦にそなえ、核兵器の威力・放射能の影響を、実際に使用した上で調査したかったからなのではなかったか?それも非白人種の日本人であれば良心の呵責も少ない。
つまり、日本への原爆投下とは、根底に人種差別のある、大規模な人体実験だったのではないか?どうしても、その疑いを消し去る事が出来ない。
当時の合衆国首脳、大統領ハリー・トールマンも、その前任者フランクリン・ルーズベルトも、国務長官コーデル・ハルも、何も語らず、何も残さず鬼籍に入ってしまった・・。
情報公開をその国是とするアメリカ合衆国にあっても、この日本への原爆投下決断への経緯だけは、未来永劫公開されることはあるまい、そう思っている。明かされれば、それが”人種差別に基づいた大規模な人体実験”であったことが知れるからだ。

アメリカが憎い。そうした想いが沸々と湧き上がるのが抑えられない・・。
しかし、2015年現在、アメリカ合衆国大統領はバラク・オバマ。まごうかたなき黒人だ。
原爆投下の根底には人種差別が云々と言った所で、アメリカ合衆国と言う国は、ひと所に留まってなどいはしない。
WASP(白人でアングロサクソン系でプロテスタント)が支配する国家、ユダヤ系が絶大な影響力を持つ国などと言われはするし、人種差別が解消された訳でなどないけれど、いまやかの国の国民は黒人を大統領に頂くほど勇気があるのも事実なのだ。
個人的体験として、1992年9月オレはフロリダ半島、ケープ・カナベラルに居た。
フロリダの蒼空の下、日本人初のアストロノート・毛利衛を乗せ3日後に宇宙へと飛び立つスペースシャトル・エンデバーの屹立する姿にこころ打たれた。
コロンブス以来500年あまり、合衆国成立以来200年あまり、よくぞこれまでの国家・社会をつくり上げたものよと、感銘を受けた。
アメリカ合衆国と言う国は、傍若無人で乱暴でもあるけれど、その勇気と豪胆さを持って、ただただ、前へ前へと進んで行く・・。 まさにフロンティア・スピリッツである。
多くのベンチャー企業が興り、隆盛を極め、新しい産業を生み出して行く。その根底にはこの精神があるのだ。
アメリカを愛する事は出来ない。しかしその精神には、やはり尊敬の念を抱かざるを得ない・・。
かの国がかくも前へ前へと進むならば、我々もまた進まねばならない。そう思う。

映画・ライトスタッフは、アメリカのそうした、ただただ前進する姿の象徴のような映画だ。
飛行機がジェット機へと移行しようとするジェットの黎明期。
飛行機のエンベロープ(・・日本語になりづらい。飛行可能領域とでも言うしかない)を、少しでも広げようとして、航空機の限界に文字通り命がけで挑んだ男たちが居た。 テスト・パイロットである。

音速を世界で最初に突破した男、チャック・イエーガーはそうしたテスト・パイロットのなかでも、最もライト・スタッフ(正しい資質)を持つ男と目されていた。

チャック・イエーガーをはじめ、アメリカのテスト・パイロット達は、航空基地以外何も無いモハーベ砂漠の上空で、音速を超えてなお、より速くより高くへと、エンベロープの拡大に挑み続けた。
しかし、ソ連のスプートニクの打ち上げにより宇宙時代が訪れる。
有人宇宙飛行の時代がすぐそこに迫っていた・・。
飛行機では到底及ばないロケットの速度・高さ。国民も国家も、その関心は宇宙へと移って行く。
テスト・パイロット達もまた・・優秀であれば優秀であるほど・・宇宙飛行士(アストロノーツ)へと向ってゆく。
高卒ゆえ、ハナから宇宙飛行士への道が閉ざされていたチャック・イエーガーは、若いパイロット達が宇宙飛行士を目指すのを横目に、予算もまた削減されるなか黙々とテスト飛行を続ける。

多くのテスト・パイロットが集ったモハーベ砂漠・エドワード空軍基地近くの酒場・パンチョの店。
火災で焼け落ちたそのパンチョの店の焼け跡に佇むチャック・イエーガーとその妻(グラマラス)グレニス・イエーガー。やがてグレニスが語り出す。
『飛行機なんて大嫌い。・・でも、出会ったときあなたは既にパイロット』
『何かあったら、私と子供には2か月分の給料だけ・・』
『パイロットには恐怖を忘れる訓練をするけど、妻の不安を取り除くのにはだれも何もしない』
『でもいいの。 力の限界に挑戦する男。私には魅力よ』
『でも、昔話を生きがいにする男には我慢できない』
『オレが恐いのはキミだけだ』と、チャック。
『ウソばっかり・・でも嬉しいわ』
やがて寄り添う二人・・。アメリカンスピリッツを象徴するかのようなやり取りに、こころ打たれた。

テキサス州ヒューストンに大規模な拠点が築かれ、アメリカが新たな宇宙時代へと舵を切り、だれも飛行機の記録になど関心を寄せなくなったその時期。
チャック・イエーガーはひとり、NF-104スターファイターを駆ってソ連の持つ高度記録に挑む。
補助ロケットエンジンを備えたNF-104で、イエーガーは飛行機の達しうる頂点を目指す。
高度20数キロメートル。彼は地球の丸みと、宇宙の暗さを実感したはずだ。
宇宙飛行士への道が閉ざされていたチャック・イエーガーもまた、心は宇宙へと向いていたに違いない。
*************************************************************************
今回、そのイメージをカタチにしてみた。パンチョの店の焼け跡に佇むグレニス、NF-104で高みを目指すチャック。はじめて音速を突破したイエーガーの乗機ベルXS-1グラマラス・グレニス。
イメージだけで描きました。NF-104もX-1もウソばっかですw

#ライトスタッフ#TheRightStuff#チャック・イエーガー#グレニス・イエーガー#グラマラス・グレニス#ベルXS-1#F104#宇宙開発#fighter#color pencil

2015-04-05 14:16:23 +0000