おめめめめめ

まながつお@粗大ごみ
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そして一日遅れである。(手ぶろ転載)

★★★

ラグナス×シェゾ

何が何だか分からないが、逃げろと言われたので、追い掛けている本人が逃げろと言ったので逃げた結果、地理の分からない所で狭い場所に入ったモノだからうっかり袋小路に辿り着き、そして追っ手である逃げろと言ったその男、シェゾは得意気な顔で俺を壁に追い詰め手をついた。
「呆気ないな。詰まらん。」
かなり走った筈なのに息を乱すこと無く余裕の笑みを浮かべるシェゾ。悔しいけれどしかしその通りなので下唇を噛むしかなかった。だが、その前に。

この至近距離は…危険だ。とても、危険だ。

何故かと言えば、何を隠そう俺は闇の魔導師であるシェゾにあろうことか恋心を抱いてしまっているからだ。その経緯を話すと至極長くなるので置いておくとして、兎に角そういった訳があるのだから、この至近距離にそんな風に顔を寄せられてしまうと、この、今まさに唇に感じているようなふにゅりとした感触を期待してしま………ふにゅりとした、感触?はたと気付けば今の今まで確かに目の前にあった赤が消え、代わりに視界いっぱいにあったのは濡れた青と湿った銀の睫毛だった。混乱を極めた頭に追い討ちをかけるように唇の間をぬるりと割り入る柔らかな肉。口内を這い廻るそれに意識と酸素を持っていかれ、視界を埋める青が遠ざかる頃には目の前は全くぼやけてしまっていた。荒くなった呼吸の合間にどうにか紡いだ「何故、」という問いに、シェゾは当然のように鬼ごっこに勝ったからだと言う。
「大人しく祝われろ」
そう言って笑った口許、に、飲み込まれる昂り。そこで漸く俺の誕生日をシェゾなりに祝ってくれているのに気付いたが、ありがとうなんて言える余裕は当人に既に奪われていた。人気の無い路地裏で貰ったシェゾからの初めての誕生日プレゼントは、甘くて熱くて蕩けるような、そんな秘密だった。

end.

#らぐ誕#Puyo Puyo yaoi#ラグシェ

2015-04-01 22:21:17 +0000