第二次世界大戦後、米国のPCCカーに影響を受けた高性能電車が日本の路面電車でブームになりましたが、その中でも最も成功したと言えるのが本作の大阪市電3001形電車です。
まず試作車として1953年に3000号が登場し、その成果を踏まえて量産型の3001形が1956年にナニワ工機、帝国車輌、日立製作所で合計50両製造されました。車体は全長12mの中型車体で全車輌共通のデザインですが台車は最初の30両が住友FS252、日立製の20両が日立KL台車を履いていました。出力30kwの直角カルダン駆動モーターを4機備え、ブレーキは電気、空気ブレーキに加え、本場のPCCカーも備えている電磁吸着レールブレーキを装備し、在来の電車にくらべて静粛性に優れているだけでなく加速、減速性能もはるかに優れていました。
登場後は都島車庫と天王寺車庫に配属され主に市電の幹線系統で運行され、その高性能をもって活躍しました。また、本車の車体のデザインは旧型車の車体更新車である2601形に採用された他、南海大阪軌道線(現阪堺電気軌道)のモ501形電車に影響を与えています。しかし、モータリゼーションの進展による市電の縮小によって1966年から廃車が始まり、1969年までに全車廃車となりました。廃車後は4両が鹿児島市電に譲渡されたのみでしたが、民間に払い下げられたものが多くある他、ラストナンバーの3050号が交通局によって保存されています。
本作はTMSスタイルブック1957年版に掲載された図面を元に住友製台車を履いた車輌を1.5/80スケールで描いたものです。
参考資料:TMSスタイルブック1957年版 機芸出版社
なにわの市電 小林庄三 トンボ出版
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%B8%82%E4%BA%A4%E9%80%9A%E5%B1%803001%E5%BD%A2%E9%9B%BB%E8%BB%8A
2015-03-25 14:07:40 +0000