京阪神急行電鉄201・203号(Ⅱ)→4201・4203号:
老朽化した電動貨車203号Ⅰ(もと南海軌道線)を取り替えるべく、19形33号(illust/47647252)を
1949年に改造して203号Ⅱが登場した。
33号は19形のラストナンバーであったが、1927年に簡易半鋼体化改造が行われた際に側窓の位置が上がり、
屋根はシングルルーフに、ベンチレーターもお椀形になるなどきわめて特異な形態を持った車輌であった。
旅客車時代は貴賓車としても使われたこともある車輌であったが、19形の中でも状態のいい電動車だったことから今回の改造の種車になったものと思われる。
1950年には京阪本線からやってきた200号が火災で焼失、その補充として1形の9号を改造し201号Ⅱが作られた。
こちらもまた旅客車時代に簡易半鋼体化が実施されていたが、ダブルルーフのままで窓の位置も木造車時代の面影をとどめており、
結果201号と203号は同じ1形・19形改造の貨車ながら、形態差が顕著に見られた。
1956年には両車3201・3203号に、1964年には4201・4203号に改番されるも、4201号は昇圧対象外とされ、
1967年ごろから休車ののち1969年に除籍・解体された。
なお、この間に台車をそれまで履いていたブリル27E1からボールドウィン78-25Aに交換している。
残った4203号は昇圧工事が施され、主回路やブレーキなども改造、阪急電鉄に社名を変更した後も在籍したが、
4050形(illust/49233817)にその役目を譲り、1982年に廃車・解体された。
なお、4203号の種車となった33号は1911年の建造であり、じつに71年もの間働きづめだったことになる。
2015-03-21 01:41:29 +0000