神童「あれは・・何だ?」
倉間「でけえな・・・あんな天まで届くような建物見たことねえぞ」
「あれは蜃気楼だよ 遠くの景色が近くにうつって見えるのさ 今の時期だけ見られる特殊な現象だよ それが見られるなんて君たちラッキーだね あの塔はさー様々な世界を作り出す力があるらしいよ それが見えたってことはさ もしかしたら違う世界に生きる自分を見られるチャンスかもしれないね」近くに立っていた子供が言った
神童「そうなんだ・・」
茜「ねえ 記念写真撮ろうよー」
さくら「賛成ー こんな珍しいもの他にないもんね」
倉間「お先にとうぞ 俺は後でいいや」
茜「んじゃあ 倉間くんから先に撮ってあげる いつもそうやって逃げるんだから」
倉間「お、俺はいいんだよ!!」
井吹「んじゃ俺が撮ってやるよ そうだ ついでだから二人で並びな 山菜もたまには写りてえだろ?」
茜「うん お願いー」
倉間「い、いや、だから俺はいいって!!」
井吹「何だよ?もしかして照れてんのか?」
倉間「んなわけねーだろ!!・・わかったよ、さっさと撮れ!!」
茜「うふふ・・お願いね 後でシン様とも」
みのり「ケッ・・にやつきやがって そんなに男と一緒に写るのがいいのかよ」
井吹「何だよ うらやましいのか?んじゃ 俺が一緒に写ってやろうか?ミノタウルスお嬢さん」
みのり「ミ、ミノタウルスとは何だ!!俺は猛獣じゃねえぞ、このウドの大木が!!」
井吹「いてっ!!ブレるだろうがー」
神童「猛獣じゃなく、神話の怪物なんだがな・・」
さくら「ねえ、瞬木は もし別の世界があるとしたら、どんな世界がいいの?やっぱ家族一緒がいいよね・・お父さんとも一緒に暮らせる世界が あたしもあまりきつくないパパとママがいる世界とかね もちろん今が悪いわけじゃないけどさ」
瞬木「・・確かにそうだな でも、今まで辛いことがあったから、こうしてみんなと出会えたわけだし・・・複雑なところだな でもよ、俺は今が一番満足だよ」
さくら「そっか、そうだよね 私もそうだよ うふふ・・きっとみんなもそう思ってるよね」
「塔は人の心に映る様々なモノを映し出す それがいいものか悪いものかは選ぶことはできん たいていの人間はいいものばかりを見て、悪いものは見たがらないがね でも、それが『真実』のありのままの姿だ それから学ばなければ人は必ず堕落する それを追及する俺も 悪人扱いされる事は覚悟しているがね・・・」
神童はその言葉に引っかかるものがあり 子供のほうを振りむいた
神童「ねえ君・・あれ?どこ行ったんだろう?」
井吹「おい神童ー!!早く撮れよ この暴れ牛、抑えるの大変なんだぞ!!」
みのり「だから俺を猛獣扱いすんじゃねえっつてんだろうが ダボがぁー!!(足を踏む)」
井吹「ウギャー!!」
神童「ハハハ・・・でも、何だか不思議な子どもだったな・・」
2015-01-22 11:57:17 +0000