⚫︎サイズ:530×530mm
⚫︎画材:油絵具、アクリル絵具、スプレー
⚫︎支持体:羽子板、紙粘土、板
⚫︎制作年:2013年
⚫︎作品詳細・コンセプト/テーマ
大学3年時、コンテンポラリーの授業で描いたもの。この作品の他にも同じ授業内に、支持体の表面や表情を実験的に試し、マチエールを研究するための習作として「移り行く成長」を描いた。
この作品のテーマは、「造り変える」である。この作品は、100円ショップで売られていた羽子板と紙粘土、そして家にあった不要な板でできている。「造り変える」は再利用というわけではなく、別物への変貌を意識した言葉である。
しかしそれが全くの別物へのと変容するということを目指しているわけではない。この作品を一度見た時、「この歯車が何でできているのか」や、「何故歯車らしい形をしていないのか」といった疑問が生まれてくることと思う。しかし、それが狙いである。一目見ただけでは、見過ごしてしまいそうなことだが、少し考えてみるとそのフォルムを読み取ることができる。
これが羽子板でできているのだろうと思った人や、これは何だろうと疑問に思う人が居たなら、それはテーマである「造り変える」は成功したと言える。
この作品は物の持つ質感や表面の表情を存分に意識した作品となっている。油絵具の持つ透明感と深みによる表現とタブローによる表面の水質表現の二つで、カエルの体表のヌメヌメ感を表現し、歯車はアクリルスプレーとアクリル絵具のメタリックカラーの持つ光沢感で質感を表現した。
また、表面が反射するほど光っているのは、質感を意識したこともあるが、写真ではなくその場でしか感じられない光や空気感、存在感、時間などに念頭を置いているからである。
作品タイトルの「欺蛙」はカエルが欺くという意味と歯車という意味の「gear(ギア)」とをかけたものである。因みに、カエルを造り変える(カエル)ともかけている。
この作品のテーマ、概要をまとめると以下のようになる。
●テーマ「造り変える」
●不要な板と紙粘土や羽子板で作成
●物の持つ質感や表面の表情を存分に意識した作品
●「欺くカエル」と「gear(ギア)」とをかけたタイトル
2015-01-14 03:11:20 +0000