12月30日に開催されるコミックマーケット87三日目にて、鈴木が文章を担当した艦これ×スチームパンクシリーズのクロスオーバー作品【紫海のオリョール -what a beautiful ocean-】が頒布されます。
スペースは火曜日 西み11a 海族生物様となります。
イラストはコージーさんで、表紙を始めとした素敵なイラストと装丁をして頂きました。
※本作品はTwitterで絶賛稼働中の艦これ×スチパン【方程式を解いた木曾bot】通称・木曾Mbotの紡ぐ世界観をお借りしたもので、内容は鈴木が改変・捏造した設定も多々あります。
ですので本家である木曾Mbotの世界観とは異なる二次創作ジョーク小説ですので、その旨をご了承のほどお願いします。
[あらすじ]
――西暦××××年。
――倫敦鎮守府。
世界の海から蒼の色が失われて、どれくらいの時が経っただろう。
深海棲艦との戦いの最中。
ある日、海は紫に染まった。
今もなお空に浮遊する《邪悪の円盤》――
《大機関羅針盤(メガエンジン・コンパス)》の飛来を契機として。
紫色の海には、深海棲艦の姿はない。
既存の海路図は既に意味を為さず、羅針盤は自由な航海を剥奪した。
そして、その針の示す先に――
『オロカナ……カンムスドモメ……』
『コノサキヘハ……トオサナイ……』
《怪異》は必ず現れるのだ。
その白い《怪異》は、漆黒の鋼を纏っていた。
その白い《御使い》は、赫い瞳を有していた。
それは、ある種の現象だ。
それは、ある種の災害だ。
人知の及ばぬ、世界の理と呼べるもの。
紫海において、唯一にして絶対の法則。
『コノサキニハ……ナニモナイ……』
『カンムスタチヨ……タチドマレ……』
――怪異は不滅――
――物理破壊は不可能――
艦娘たちに《怪異》は、撃沈することはできない。
それは絶対的な法則であり、倫敦鎮守府の所属艦たちも例外ではない。
しかし――
「はは」
「生意気にも言語を介すか」
「だが――」
ここに例外が一つあった。
球磨型軽巡洋艦が五番艦。
重雷装艦木曾。
「沈むのはお前だ」
彼女の有する《方程式》だけは――
死の淵に陥った際、深淵から施された欠片だけは――
クルーシュチャ方程式は、例外的に《怪異》を打ち砕く。
「荒れ狂うもの、例外なく空を制するもの。黒き鋼を纏い、無慈悲な鉄槌を下すもの」
「爆撃の恐怖」
「分かりやすい〝かたち〟だな。だが、故に、原型の力に充ちている」
白い《怪異》に対峙して、木曾は宣告する。
「提案しよう! 空母棲姫!」
それは、ある種の儀式だった。
それは、ある種の作法だった。
「食事の時間だ!」
料理を目の前にして、手を合わせるように。
眼前の白き姫に対して、木曾は高らかに告げる。
「本当の戦闘というものを教えてやる」
東部オリョール海。
ここには既に、深海棲艦の姿はない
あるのはただ――
艦娘たちの嘆き、だけだ。
紫海の果て――灰燼の結末(カルシェール)》の先で君を待つ。
紫海のオリョール -what a beautiful ocean-
2014-12-26 13:10:06 +0000