中央国の主力戦車です。
BT-155はBT-134の後継として開発された主力戦車であり、BT-134の優れた特徴を受け継ぎつつ戦闘能力をパワーアップしています。
しかし、開発は非常に難航、登場が大幅に遅れ登場は銀河大戦の終戦間際でした。BT-155は目立った活躍もなく終戦を迎え、少数生産された車両が残存中央国軍に使用されたに留まります。
BT-155の開発は銀河大戦勃発直後に始まりました。
すでに当時中央国軍の最新鋭戦車BT-134がこの頃には配備されようとする時期でしたが、新政府軍の主力戦車の圧倒的強さを目の当たりにした中央国軍ではBT-134では明らかな力不足として、新型戦車の開発を開始する事になりました。
当初の中央国軍上層部の目論見ではBT-134はBT-155が完成するまでの繋ぎとしての認識が強かったようです。
BT-134は初期において、その量産体制があまりにもお粗末だった事もあって品質が最悪でしたが、これは中央国軍上層部がBT-134をそのような認識を持っていたからゆえとも言われています。
BT-155戦車に求められた能力は
・140mmレーザーキャノンを主砲とすること
・敵主力戦車(EAT-1)の主砲を容易に防御できる前面装甲を持つこと
・実弾火器に対する防御力についてはBT-134を凌駕するレベルであること
・BT-134と同等以上の機動性能を持つこと
・構造を出来る限り単純化し、量産を容易にすること
・信頼性を十分に考慮した設計であること
・既存の戦車の部品などを出来る限り流用できるようにすること
・BT-134と同等の車体サイズであること
・BT-134と同等に安価であること
などであり、かなり無茶な要求を突きつけられていました。
BT-155の開発は様々な面で難航しています。
主砲については開発当初はBT-134用の120mmレーザーキャノンの量産すらままならなかった状況で、この戦車用の140mmレーザーキャノンを開発、量産体制を築く目処など立っていませんでした。
また車体サイズを大きくできないため、車内スペースに余裕がないのも大問題であり、これによって装甲の強化や高出力な大型エンジンの搭載などを困難としており、これを技術的に解決するするには多くの課題を解決しなければなりませんでした。
例えば防御力の面を見ても、大きく傾斜したレーザー反射装甲を採用すれば防御力の基準は満たす事が可能でしたが、傾斜を大きくした場合車内スペースが限定されてしまう問題がありました。かといって傾斜を小さくするとレーザー反射効果が期待できなくなりました。それに加えて、BT-155ではレーザー兵器に対してだけでなく実弾兵器に対する十分な防御力も求められた結果、それなりの厚みを持った通常装甲も必要となり、これはさらに重量増加の問題がありました。
シールド強度を高める事で解決を図るにしても、高性能なシールド発生装置は高価であり量産性や整備性で不利である問題がありました。
主砲の強化と装甲の強化は、当然ながらBT-134に対して大幅に重量を増加させたため、機動性の確保も大きな問題となりました。
車内スペースが限られた状態では高出力大型エンジンを容易に採用できず、仮に実現しても燃料タンクの容量の確保ができずに著しく航続距離が低下するなどの課題がありました。
BT-155を軽快に動かす事が可能なエンジンは既存のものに存在せず、エンジンの新規開発や既存エンジンの大幅改良が必要とされました。
しかしそれは開発費の高騰、そして既存の戦車部品を流用するという観点から問題でした。
様々な課題が山積みになったBT-155の開発は予定よりも大幅に遅れてしまいます。開発の遅れと、またその頃にはBT-134戦車の量産体制も機動に乗り、改良の努力もあってBT-134戦車でも十分に新政府軍戦車に対抗できた事から中央国軍上層部でもBT-155の開発継続の是非について議論されるようになりました。しかし上層部で開発を中止するか継続するかいつまでも結論が出ませんでした。
その上、開発を継続するにしても仕様を変更すべきとの意見もあり、この混乱はBT-155の開発をさらに迷走させました。
BT-155の開発はダラダラと継続されていきましたが、技術者達の血の滲む努力により銀河大戦末期にようやく試作車が完成しました。
BT-155はBT-134を凌駕する優れた性能を発揮しましたが、細かい部分に様々なトラブルを抱えておりこれらの改善には時間が必要でした。それに加えて生産コストも当初の見込みより大幅に増大していました。
性能は向上したとは言えども問題点も多いBT-155の量産には難色を示す者もいましたが、この頃の戦況はかなり絶望的であり、中央国軍上層部は神頼みでBT-155の量産を決定しました。
しかし量産開始から間もなく銀河大戦は終結します。その後は残存中央国軍で使用されましたが、残存中央国軍にはBT-155の量産体制を築く余裕はなくなっており、BT-155は生産が中止されました。
スペック
全長:7.2m
武装:
140mm重レーザーキャノン×1
8mmレーザーブラスター×2~3
搭載:
なし
エンジン:
反重力エンジン×2
2014-12-16 12:59:12 +0000