修羅の極道 蛇の道

相摸屋 分三郎
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「それとですね・・冬彦さんと一緒にいらっしゃる女の人についてですが」

「ふむ それも調べはついてるようだな・・・」

「あの いつも一緒にいる女の子のことか?どういう事だ オジキ」

「わしから説明しよう 普段は冬彦さんのボディーガードとして行動を共にしているんだが その実態はな・・伝説の『インドラ組』の忘れ形見よ」

「い、『インドラ組』だと!?そいつらはもうとっくに壊滅したはずだぜ!!」

「うむ・・15年前に突然わしらに たった七人で宣戦布告してきおったやつらだ 人間離れした能力と悪魔じみた知恵を持ち、わしらの縄張りを次々と襲っていった 当時15,6のガキがだ・・その時は日本中のヤクザが一致団結してやつらに立ち向かったのだ 何とかやつらを退けたものの わしの兄貴分『天狗の鞍之助』さんをはじめ多くの犠牲を出した・・・やつら七人のうち四人は殺したものの 残る三人は逃げ延びた おそらく今も生きているはずじゃ その死んだ四人のうちの組長だった『阿修羅の弐八』の娘が あの子なのじゃ・・・」

「な、なんてこった・・・!!」彦島は絶句した

「当時わしらはどうするか思い悩んでおった そこで 何も知らない子供のうちに教育して『道具』として使おうということになった ある人のために危ない時には盾となり、やらなければならんときは手を汚す剣となる存在にな・・わしも 当時はそんなことをさせるのは反対だった・・・だが あの怪物の血を引くものとなれば いずれはまたわしらを脅かす存在となる さすがに赤ん坊のあの子を殺すのはためらったからの どこか他へ里子へ出したとしても いつその血が目覚めるかわからぬし やつらの残党に担がれかねない そこで苦悩の末 監視の役目も兼ねて そうすることに決めたのだ・・・わしの古いなじみである辺古山三太夫の娘として 冬彦と共に育て 武道の作法全てを叩きこんだ そして自分のすべてを捨てても冬彦だけは守り通すように仕立てたのじゃよ・・・わしも この秘密は地獄まで持っていくつもりじゃったが・・人は自分の業からは逃げられぬものよのぅ・・」

「・・そんなことがあったなんてよ」

「因果の歯車ってのはいつもどこかで回ってるもんよ 実は組のやつらもある組織の一員だった・・もっともやつらは先走りすぎたおかげで自滅したが 他の奴らは虎視眈々とその機会を狙ってやがった・・そしてやつらがとうとう動き始めたってわけよ・・・そこで 冬彦さんにゃ 試練となりますが・・・」

「あえて冬彦に危険な場所へ飛び込ませるというのか・・・何も知らせずに」

「言ったところで素直に聞き入れるお方ではありますまい?『虎穴に入らざれば虎子を得ず』という言葉があります 全ては流れる水のごとく・・これも運命・・もしご不満なら そこの刀でわしの首を切り落としていただきますよう お願い申し上げます」男は再び低く頭を下げた

四鬼の目が光った

「お、オジキ!!」

それでも しばらく四鬼は考えていたが

「・・・・どうやらそれ以外に方法はないようじゃ・・・これからあの時以上の血が流れることになるのか・・わしも極道としては長生きした 自分の命などどうでもいい・・・ じゃが 冬彦たち若い者が不憫でな・・・ならば このおいぼれの命 若い者のために使うとしよう!!」

「オジ・・いえ 惣領!!ありがとうございます!!この彦島竜心、まさに百万の味方を得た思いです!!」

「・・・・最後にあんたに聞きたい この戦勝てると思うか?」

「それは何とも申し上げられませんが 全ては「運命の『カ』」によるでしょう・・・我々にできることは 『人事を尽くして天命を待つ』 それしかありません・・・」

「うむ・・全ては神のみぞ知るということか・・・」

そしてジャバウォック島に連れてこられた冬彦とペコは自分たちの関係を知られないようにした

「いいか ここに来たからはもう俺とお前の関係は一切チャラだ 間違っても『ぼっちゃん』というんじゃねえぞペコ わかったな?」

「・・・お言葉ですが そこまでする必要があるのですか?」

「俺たちゃ もうガキじゃねえんだ もういい加減そんなしがらみから離れたほうがいいんだ お前は お前の人生を生きな これが俺の最後の命令だ」

「・・・わかりました ですが 私の使命はまっとうさせていただきます・・・」

#super danganronpa 2#Fuyuhiko Kuzuryuu#Peko Pekoyama

2014-10-28 13:59:42 +0000