姫「よし。コレでいいわ。……見張り、ありがとね」
狩「命の水、貯水槽にぶち込むとは……結構、大胆な真似をするな」
姫「まぁね。……実はちょっと、予想はしてたの。
これなら大野君の要望にも応えたことになるし、
大野君もしばらく入院で否応なく使うことになるだろうから
亞輝那のメンツも潰れなくて済むし。
あ、ちゃーんと量の調節はしといたから安心して。
突然起こった奇跡ではなく、みんな、徐々に良くなるように……」
狩「……しかし、君は少し、兄貴に対しては手厳しくないかい?
アレじゃまるで、兄貴を……いや、兄貴の中にいる鬼を、
恨んでくれと言っているような……」
姫「あぁ……まぁ、ね。
そういえばあなた、PRCの人だっけ……。
私たちの出自や、アイツの過去について、どのくらいご存じ?
……アイツはね、本当は誰にも赦されたくないの。
でもね、アイツの周りには、優しくてお人好しな連中ばっかりで、
アイツが何度霊障化しても、みんな、アイツを責めなかった。
……だから、私一人くらい、アイツのことを責めて、
嫌ってもいいんじゃないかなと思ってね……アイツが望むように」
狩「神薙さんが、望むよう?」
姫「アイツはね、私から「母親」を奪ったと思ってる。
だから、私から「恨まれてる」って思ってるの。
……うん、実際、母は私を捨てて、アイツを選んだ。
でもね、アイツが最初に霊障化した時、母は何をして、
どうしてアイツを助けられなかったか……。
……「私」を、産んでたの」
狩「!!!」
姫「恨むべきはアイツの方なのに……笑っちゃうでしょ?
だから、どうあがいても私たちは、「普通の兄妹」には、なれないのよ」
◆◇◆
お借りしてます新右衛門さん【illust/44414500】
ウチの【illust/45933830】
チラホラ話に出てくる安曇の過去はこの辺【illust/45609015】【illust/45827966】【illust/46025873】参照。
2014-10-18 18:43:14 +0000