永遠の小学生を続ける中、次第に彼の心は磨耗していく。
犬に追われ、友人にからかわれ、勉学に励もうとするも叶わず。遅刻も直らず、母にどやされ、親友にさえ呆れられる。いつまでたっても一向に向上しない己と、世界の無慈悲に失望を繰り返す彼。
そんな毎日を繰り返すごとに彼の心にはある願望が宿る。それはゆっくりとしたスピードで少しずつ、だが確実に彼の心を蝕んでいった。
ある日、目覚めると、いつもの如く寝坊であることを確認する。一呼吸の後、彼が机の引き出しからおもむろに取り出したのは、いつか使ったあの道具。
/彼「さようなら、人類」/
つぶやく彼の後姿を見ながら、怒ったような悲しむような憮然とした顔でただ佇む親友・・・・。
そして彼はためらうことなくそのボタンを押した。
疲れ果てた彼が消すことを望んだのは・・・・世界か、それとも己自身か。
2009-06-09 17:23:32 +0000