セルアル※腐向け

ステヒコ
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――貴方に触れたい、その衝動の理由なんて。

セルアルで解放後に再会したっぽいイメージ。腐向け。

以下の小話は絵のシチュエーション説明みたいなもんです。
キャラのイメージが崩れる場合がありますので、どんなものがきても大丈夫な方のみご覧ください。

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――昏き妄執の館。

「……何をしにきた」

闇に紛れて消え入りそうな声。
再び目にした姿はかつてと寸分も変わりないのに、まとう雰囲気の覇気のなさ、憔悴した様子に驚きを隠せなかった。

「貴方を迎えにきました」

そう答えると、紫紺のローブをまとう男――アルムが、こちらにちらりと目線を向けた。
いつだって傲岸に、こちらを見据えていた竜の瞳。
そこにかつてのような鋭い光はもうない。
――それでも再びまみえたその異相を、以前と同じく綺麗だとセルヴィアは思った。
当時は自分が視界に入るだけで盛大に顔をしかめられたものだが。

「……帰れ。転生して尚、お前の顔など見たくもない」

そう言って、アルムはセルヴィアに背を向けた。
邪険にはされるが、そこに以前のような激しい拒絶はない。
――自分に対する感情が、変わったわけではないのは理解している。
それでも。

「貴方が俺と共にここを出てくれるのでなければ、俺も絶対にここを動くつもりはありません」

向けられた背中にそう告げる。
弱っているところに、つけ込む行為に自嘲も覚える。
――それでも。

「……何故だ?」

ぽつりと小さな呟き。

「何故今さらお前が俺の前に現れる。俺には今度こそ、いや、今も昔も……何もない」

感情の波打たない静かな声に、だからこそ疼痛を覚える。
目の前の人の、声にならない悲嘆を感じ取る。

「……お前の言ったとおりだ。愛することも、愛されることもなく。……俺は俺の求めたものを、何ひとつ手にすることが出来なかった。パルティアも疾うに滅びた。俺が残したものも、俺に今残されたものも、もはや何もないのだ」

誇り高いこの人の、こんな無残な姿を見て。

「……二度は言わん。帰れ。お前には――…っ!?」

――渇望を覚える自分こそ、救い様がない。

「……俺は、貴方にこんな思いをさせる為に、あの言葉を告げたわけではないんです」

伝えるために口を開いたはずなのに、声が震える。
言葉にならない感情が自然と腕にこもる。
目前の背中を、ただ強く抱きしめた。

「……何のつもりだ」

触れた温もりに酩酊する。――そのまま振り払われないことに驚く。

「何故、こんな真似をする」

腕に収めた身体が実体を持つこと。それに無上の喜びを覚える。

「答えろ。……セルヴィア」

――名を呼ばれて心が震える。この理由を。

「……本当に知りたいと思ってくれるのですか?」

言えば。
――今の貴方は、どんな答えを返してくれるだろうか。

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VPシリーズで初めて描きました、腐向け。(ちゃんと描けてるかどうかはアレですが;)
……四月馬鹿のルーファス×オデンも腐向けに数えるなら一応2作目になるのかな?

ついったお題「理由などなくても」消化作品。
どう見ても理由がっつりある系の行動ですが気にしないで頂けると助かります。
解放後の憔悴した状態なら抱きついても振り払われないかもと思った。

#エインフェリア#Alm#セルヴィア#yaoi#VP2

2014-10-04 00:01:18 +0000