つばめ@描き鉄■今回のお題、「スローペース」ですが、“大人の事情”で旧作を送りました。まあ、旧作といっても、このお題のために描き下ろしたものではない、という程度の作品ですが。
■確か2005年6月号だったと思いますが、「夜汽車」のお題で夜行鈍行の「ながさき」を投稿しました。この絵を描くときに頭の中にあったもう一つのテーマが今回お送りする絵です。もしかして、このままお蔵入りか？と思っていましたが、ちょうどいいテーマですので陽の目を浴びさせようかなぁ…と。
■描いたのは寝台車の車内です。一応、オハネ14の車内をイメージしていますので、「さくら」か「みずほ」の車内といったところでしょうか。そうすると特急列車ですから、スローペースにはならないかもしれませんが、いまや夜行列車はノスタルジーを感じさせる究極のスロートレインでしょう。現に九州ブルトレは単線区間に入ると足の速い電車特急のために道を譲るのは当たり前、2年後に控えた九州新幹線全通の暁にはその存続すら危ぶまれるというご時世です。■確かに速さや便利さでは新幹線や航空機に太刀打ちできるわけなく、かといって北海道ブルトレみたいに“乗ること”にステータスがあるわけではないとなるとやむをえないことでしょうか。■しかし、揺れる車内で眠れない夜、通路のいすに腰掛けてなんとなく眺める漆黒の闇という風情はそんな便利な“移動”では味わえないもののはずです。
■初出：ネコパブリッシング社「レイルマガジン」誌2007年6月(#285)号 ※キャプションは、07年3月6日に書いたものです。
2009-06-05 14:59:02 +0000