その妖は大変気難しく、呼称一つ気に食わなければ末代まで呪う程であった。
それ故に敬称を含んで名の全てと伝わっているのだとか。
◇企画元様【illust/44144777】二人目失礼致します。
◇
長い時を生きている割にはせっかちな妖狐。
殴り合ったり言葉を交わしたりした結果、
人間に対しては昔ほど敵意は無くなったが別段好きでもない。嫁御さんは別格。
◇美人で可愛いお嫁さんを迎えに行けました!鷹丸シイナさん【illust/45699243】
「我を視認するニンゲンなどとうの昔に潰えたものと思っていたが
……これならばニンゲンの催しにも参加した甲斐があったというものだ」
「これを我にか?このような形が無くとも契を忘れたりはせぬが……面白い、貰っておこう」
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「嫁御、我を覚えておるか?……あの日の約束、果たしに参ったぞ」
「嫁御のような年頃の娘の一人歩きは危険だぞ?どうせ見えん、憑いて行っても構わぬだろう」
「当然だ、嫁御が言ったのだろう?妻に貰った指輪は大事にするものだと」
「大分待った。ニンゲンの寿命を考えれば待ち過ぎた程だ。もう離す事は出来ぬぞ、シイナ」
2014-08-21 11:14:30 +0000