旭川電気軌道モハ1000形:
1955年に1両のみ登場した全長18600mmの大型電車である。製造は日本車輌製造東京支店。
旭川電気軌道はほぼ全線に渡り併用軌道であるが、床の高いボギー車が往来しており
インターアーバンに近い雰囲気もあった。
さてこの電車、見た目こそどこかの近郊電気鉄道線で見られる高速電車そのものだが、
モータ出力は60kWと貧弱で、車体は高速電車ながら性能上は路面電車ぐらいの速度でしか走れなかったようだ。
このなんともアンバランスな電車も、1972年の旭川電気軌道廃止とともに廃車となる。
車体の大きさ的に他の私鉄に放出されてもよさそうな電車であったが、
先述のようにモータ出力が小さく、また制御方式も旧態依然のHLであったために買い手はつかず、
旭川市立郷土博物館に保存。その後保存先を東旭川農村環境改善センターに移動して余生を過ごしている。
手入れが行き届いており、保存状態は大変よい。
2014-08-10 11:52:26 +0000