これ【novel/4143730】の表紙の元絵です ■(ここから妄言)夜久さんの彼氏がどうして黒尾なのか考え出すと泥沼すぎて本当に抜け出せなくなって困るのですが、大きな理由の一つに夜久さんが抱えている闇があると思います。闇てwwwという失笑が画面越しに聞こえてきますが、光があればそこには同時に影ができることは皆さんご承知のことかと存じます。あの太陽の様に周囲を明るく照らし出す大天使夜久さんも例外ではなく、柔らかで天真爛漫なあの笑顔の裏、頼りがいのある背中には相反して闇を背負っているはずなのです。それは皆に分け隔てなく接する夜久さんがこれまでの清廉潔白な人生の中で少しずつ、ほんの少しずつ溜めていったストレス、曲げていった自分の信念、酷い言葉に言い返すことをぐっとこらえたときの涙、そんな夜久さんにとっては自分の弱さとして恥ずべきものとしてあえて目を逸らしてきたそんな傷が凝って闇となって眠れぬ夜などに夜久さんを苛むのです。言いたくもないことを友達や家族に言ってしまう夢や、何のいわれもなく周りから見放され見捨てられる妄想が一人きりのベッドに転がる夜久さんを何度襲ったことでしょう、夜久さんが何度枕を涙で濡らしたことでしょう。それでも朝になれば夜久さんは、また変わらぬ笑顔で周囲に接し、まるで自分は傷つくことなど無いかのように振る舞ってその優しい嘘でまた自分を傷つけるのです。その背のなんと儚かったことか、本人には気づけず周囲の親しい人たちだけが時折気に留めるだけで見過ごされてきたのです。ところがある日、偶然か必然か夜久さんは音駒高校で黒尾鉄朗に出会うのです。黒尾は策略家のくせに身の程を知り、軽薄なくせに思慮深く、でっかいくせに妙に小心で、あまりにもアンバランスなその生き様に夜久さんは初めは戸惑い反発します。しかし聡明な夜久さんのこと、いずれ黒尾のその生き方は自分の弱さを認め、自ら補ってきた結果獲得された、逆に安定したスタイルだと気付き、振り返って自分にはその技術が無いことを思い知り愕然とします。初めて真昼間に白日にさらされた闇とそれに付随する自己嫌悪を、かつてその場所を乗り越えてきた黒尾は優しく受け入れます。黒夜久は似た者同士がくっついて傷を舐めあう関係なのです。それは負け「猫」ではなくて、互いを癒し合い高め合う関係です。黒尾は夜久さんのために、夜久さんは黒尾のために。比翼連理の二人は今年も誕生日を共に過ごします。黒夜久永遠なれ。【ここまで妄言】
2014-08-07 23:08:03 +0000