*さて、本日の短時間挑戦は飛行物体で御座います。
御覧の通り主翼部分が奇妙な程幅のある飛行機。
唯、塗装面でも恐ろしい程あっさりとした作りで、特徴も僅か。
逆に完成したのかどうか疑問に思えてしまう程。
に詰め直しで結局お時間は23分という結果に。
*本日の飛行物体はイングリッシュ・エレクトリック社のキャンベラで御座います。
1949年に初飛行したかなりの骨董品で御座いますが、英空軍に於いては2006年とつい最近退役したばかりの代物で御座います。
相当特異な形状を持つ爆撃機なのですが、速度、高高度、低空に於いて全ての面で性能に優れ、米国、豪州などでライセンス生産された程。
ちなみに、このお名前ですが、最初に受注して下さったのが当時のイギリス連邦の構成国であった豪州から名付けられました。
43年当時、ジェット高速爆撃機を求めていた英空軍ではランカスターの航続距離とモスキートの積載量と軽快性、ジェット戦闘機と同程度の速度と高高度性能等という無理難題その物を要求しておりました。
分かり易く申せばトレーラーやダンプカーの様に沢山の物が積めて、その上長距離トレーラーの様に燃費の良いスポーツカーを開発せよと言っているわけで御座います。
イングリッシュ・エレクトリック社は第二次大戦中、ハンプデンやハリファックス、デ・ハビラントバンパイアの製造を行って技術を高め続けておりました。
そして、上記の無茶な使用に叶う機体の開発に動き始め、45年9月に計画を提出。
46年試作機製造の契約を結んだそうです。
試作一号機は49年に完成。
当初後退翼も検討されたそうですが、真上から見て菱形を背負ったかの様な特異極まりない翼が選ばれました。
そして、初飛行の際、軽快な運動性など優れた性能を示したそうです。
ここから段階を経て完成形に近付いて行くのですが、その際中にも既に物としては完成しているので軍分等に引き渡しが行われております。
その段階がB.2等といった頭の文字で、その後ろに派生品の分類が着くようです。
唯、この機体は元々異常な要求をかなえて産み出されたため、爆撃機と言う枠に囚われず、様々な任務に応じた改造機や派生品が生まれたのだとか。
その中には最新の電子機器に身を包んだ情報収集機などがあるそうですが、引退した今なおその性能は明かされておりません。
ちなみに、アメリカもこの高性能機がお気に召した様で、マーチン社がライセンスを取得し、B-57シリーズとして生産しております。
他の国では本国も含め退役しておりますが、米国では未だ数機現役で稼働中なのだそうです。
そして、当の豪州で御座いますが、82年に退役となっております。
現在、英国では旧型軍用機保存協会が一機所有し、動態保存されているのだとか。
3人が搭乗する機体で、その操縦席も正面から見ると中心線から右側にずらされております。
唯、種類が多いので、中には縦列三人であったり並列三人であったりと座席や操縦席の位置もまちまちでは御座いますが、初期の形状はこうなっております。
当然、主翼その物も特徴的なのですが、ジェットエンジンの筒も他の機体と違って翼と一体化した形状を取っており、その分筒が異常な長さになっているのも又大きな特徴で御座いますね。
*本日の見学者さんは様々な事をそつなく器用にこなす紅白巫女さんで御座います。
たまには現世のお散歩でもしてくる様にと言う事で隙間さんから強引に休暇を押しつけられた巫女さん。
現世でする事もなく空の散歩中に出会った何とも不思議な形状の鉄の鳥。
何についても其処迄燃えることなく淡々とする事の多い紅白巫女さんですが、それであってもカッパさんから飛行機と呼ばれる鉄の鳥について耳にたこができる程聞かされております。
加えて現世にお出かけした他の方々も鉄の鳥を見たことが有る様で、土産話で聞かされて、この鳥の形状が若干異常な事に即座に気付きます。
ある程度時間が過ぎれば幻想郷に帰れるであろうと踏んで、取り敢えず何となく気になったこの鉄の鳥を観察し、他の方々への土産話とするのでした。
2014-07-19 10:56:53 +0000