この日の人里警察署はとても賑わっていた。
七夕の日を迎えた今日、署員達は思い思いの願いを込めた短冊を玄関ホールに置いてある笹に飾り付けたのだった。
そんな中、人里警察署の副署長が銀色の短冊を持って飾り付けをしようとしたら短冊を持って近くをウロウロしていた小兎姫と遭遇した。
「おや、小兎姫君。飾り付けはまだだったのかい」
「みんな不思議なものね。叶うかどうかも分からないのに、必死になって願い事を書いているんですもの」
「…君はまさか七夕にも興味がないというのか?」
「えぇ。まぁ一応願い事は書いたわ。『私が今集めている好きなモノが手に入りますように』ってね」
(はぁ…。本当に彼女はずれているなぁ…。彼女と馬が合う数少ない人物である署長が羨ましいものだ)
七夕の日もやっぱり平常運行な小兎姫に内心ため息をつく副署長であった。
ちなみに副署長の願い事は『これからは署長や署員達がおとなしくしていますように』といったものであった。
※7月8日追記…東方七夕のタグ追加、ありがとうございました。
2014-07-07 13:35:49 +0000