【夏闘乱2014】帷 征士郎【東軍】



企画元:夏闘乱2014【illust/42948386

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■前回までのあらすじ■

「征士郎、明日からお前も玉鋼学園へ入学することになる。
 今日まで、心剣使いを目指すものとして、お前は十分に精進した」

帷家の一族が集う、屋敷の一室。
ここには帷家に代々伝わる心剣「示安」が奉られており、次期継承者は玉鋼学園への入学をもって
この刀を引き継ぐことになる。
今ここにいる、帷家の長男、征士郎こそが、この刀を受け継ぎ、次代の心剣使いとなる者である。

征士郎は不器用だが努力家だった。心剣をうまく扱うことが出来ずに家の者を心配させることも多かった。
殊更、刀の扱いに於いては不器用で、喧嘩こそ出来たものの、得物同士での仕合はどうしても他に劣る。
しかし、毎日の修練の末に、ようやくその力を敵に向けられるようになったのだ。
これは一族をもって喜ぶべきことであった。

「さあ、征士郎。示安を手にし、その姿を皆に披露せよ」
祖父の声が厳かに、しかし力強く響き渡った。
示安は刀身を持たず、持つ者の心や資質に応じて、放つ波動が形を成す。
護る心は盾となり、切り開く心が刀となるのだ。
征士郎の心は、示安の姿をどう変えるのか─ 皆が、固唾を飲んで見守っている。
「お、おう」
小さく頷き、征士郎は恐る恐る「示安」に手を伸ばす。
そして指先が触れた瞬間、稲妻のような光を放ち、その光とともに刀身が成長するように伸びていった。

しかし…

「…?」
征士郎が持っていたそれはどう見ても、剣ではなかった。盾でもなかった。
細い光の先に、丸い大きな球体…のようなもの…がぶら下がっている。
「………こうか?」
征士郎は柄を持ってそれを軽く振った。追随し、球体が周りのものを掠め、襖に襲いかかった。
祖父以下、一族は事態が理解できずに固まっている。
数刻を経て、母親が、口にした。
「……それ……鈍器……?」

そう、征士郎が手にしていたそれはどう解釈しても「鈍器のようなもの」だったのだ。
前代未聞の事象に、一族はただ驚き、征士郎の無事を祈るしかなかった─

─そして、あの日から一年…


【帷 征士郎(とばり せいしろう)】 2年生/男/180cm
声が低い・口が悪い・喧嘩が強いの三タテをキメて何となく避けられるヤンキーもどき。
実際はものすごく不器用なだけで、努力家で情に厚く、困っている人は放っておけない。
おまけに寂しがり屋なので、その辺の猫とかと遊んでいる。
喧嘩と人助け以外のスペックはものすごく低い。
なんの役にも立たないが、特技はさくらんぼのヘタを口の中で結ぶこと。

進級し、彼にもなんと友達が出来た【illust/43583660】。
本人はとても好意的に接しているようだが、時々第三者にカツアゲか何かと勘違いされる。

校内で見た泣き虫の女の子がどうしても放っておけず、気になっている。【illust/43633347
何とか安心させるために様々な手を講じるも、そもそも自分の顔が怖いという現実に気づいていない。

【心剣・示安(じあん)】
帷家に代々伝わる、刃のない刀。日本刀を模した形状で、鍔より先は、持ったものの心の形を示す。
具現化に精神力を要するため、疲れてしまうと弱体化する。
攻撃性の強い人間なら鋭い刃になり、守りに徹するならば盾となる、変幻自在の刀。

でも征士郎が持ったら何か鈍器のようなものになってしまった。実際振り回して殴るやつ。

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2014-05-21 08:42:01 +0000