アイコン工房の方に投稿したのをこちらにも投稿しました。使用に関しては商業利用以外は基本自由ですが、一言もらえるとありがたいです。
解説
フランスのAMX-30戦車です。フランスはWW2で戦車開発に関する技術が途絶してしまい、戦後はアメリカから供与されたM47パットンなどを装備していましたが1950年代に新型MBTを独自開発する道を探り出し、ちょうど西ドイツも新型MBTの開発構想を立てていたため共同開発することとなりました。これは標準戦車と呼ばれました。この戦車には当時出現し始めた対戦車ミサイルや対戦車ロケット弾などへの対抗策として防御力よりも機動力が求められました。
フランスが開発した標準戦車は車高を抑えるためにイスパノ・スイザ製対向12気筒多燃料液冷ディーゼルエンジンが採用され、目標を素早く発見し、先手を打つために視察装置が重視され、車長用の展望塔は腰高に設計されました。
主砲は105mm砲でしたが、西ドイツの標準戦車が採用した当時西側標準戦車砲となりつつあったイギリス製L7A1 105mm砲ではなく独自開発のCN-105-F1 105mm砲を搭載しました。56口径(約6メートル)という長大な砲身を持つこの砲は当初、G弾という特殊なHEAT専用であり、ベアリングにより弾頭の周囲だけ回転させることで弾道を安定させつつ成型炸薬弾の性能をフルに発揮できると言われていましたが、L7用のHEAT弾と比較してコストが高いうえに構造上実質的な弾頭の直径が小さくなるために威力も劣るという結果となり、結局後にAPFSDSも開発され積載されました。
1962年からイタリアも交えて始められた試験でフランス製戦車が重量が軽かったにもかかわらずドイツ製戦車がわずかに加速性と速度で勝っていました。この試験後、フランス製戦車はAMX-30と命名され1963年からフランス陸軍が正式採用を決定し、ドイツ製戦車はレオパルド1と命名され西ドイツ陸軍に採用されることとなり標準戦車構想は頓挫しました。
2014-05-17 11:19:39 +0000