其は雨の日に生まれ落ちたそうな。「疫鬼と山姫の血を持つ男」と「血を食らう樹妖の女」との間に生まれたそうな。
それからしばし長い長い雨が続いたそうな。そうし、其は“ソレ”を名前に賜ったそうな。
「こわいかい?そうかい。みにくいかい?それじゃあ、さぁ、お逃げ」
【概要】
名前:霖(ながあめ) 性別:男
種族:妖怪(樹木子+疫鬼&山姫) 年齢:不明(見目20程度)
身の丈:不定(170cm~300cm程度の範囲で変化)
一人称:我(俺、私、己、などなど不定)
二人称:おまえ
キライ:炎、塩
スキ:家族、花、ほどよい日光、日陰、湿気
湿気と疫鬼の性質ゆえか、生まれた時には青々と葉を茂らせ瑞々しかった樹木の体はいつしか枯れ木と化してしまった。
崩れ落ちた右の肩と脇腹には洞が出来、そこに枯れ落ちた自らの葉は溜まり腐葉土となり小さな土壌を作ることとなった。
落ちた葉は土と化しても未だ体の一部として這い回る脚(根)に、ずりずりとついてまわる。
様々な草花が洞に居ついたが、自分は二度と花を咲かせることは無いので喜んで苗床となっている。
自分を根城とする植物達に少しづつ生命力を貰っている(+枯れ木である)ため、血を食らう必要は無い。
たまに獲物を捕らえれば母と妹に渡してしまう。妹をひどく甘やかしている。
既に枯れ木であるので、おそらく老い先は長くないのだろうと思っているが、悲観的ではない。
幼い頃こそ枯れ木となり果てたのを気にしていたが、今は苗床となるコトが幸せ。(そう言い聞かせているとも)
洞に植わっている植物と会話が可能であるのだが、時折その草花に影響されて人称やらが変わってしまうことも。
陽の下に居る時はとくにそうなりがちで会話内容はややぼやける。
「うん?俺はそうは思わぬけども、我はそれも良しと思えるし、私はどちらも好きだと…―ああ、うん、良いのじゃないか」
「ひなた?ああそうか、そうだね、行こうか、望むのなら、枯れぬように。我も今日くらいの日差しは嫌いではないから」
=家族=
父:伍 さん【illust/42639479】「父よ、この草は薬になるやつであったよな?…我にも手伝えぬかな」
母:緋萩【illust/42634176】「母よ、我が花を咲かせられずとも良しと言うてくれてありがたう」
妹:さんご さん【illust/43396965】「さんご、今日も可愛らしいね。ほら、“血の元”を持ってきたよ、おあがり」
「近いうち、きっと朽ち果てるだろうけども、なに、きっと今と変わらず苗床であり続けるのだろうと思えば、なに、恐ろしくもない。全てに忘れ去られても、かまいはせぬのだ。…ああまた雨が降ってきた」
五世代からの参加で短い期間でしたが、有難うございました。
2014-05-13 20:41:22 +0000