「ようこそ我らの工房へ」
◆名前:月踏(つきふみ)
種族:半妖(死神・鎌鼬・人形神・片車輪・妖巫・大蛇・トウビョウ・骨女・玉兎・産女・化け鯨・人間・中国系の人間)
性別:男
◆銀河宝石商の奥にある工房でひっそりと装飾作りにいそしむ青年。元は巨大な骨鯨の姿をしていたが、妬心に駆られた姉・壊雅の手により砕かれ、今の姿に自らを作り直した。母譲りの人形師の才を強く受け継いだのか、青年の姿をした骨の人形は精巧な作りをしている。背骨から伸びる骨の糸で、意識を共有する骨達とつながっている。父とともに宙でまどろむのが好き。趣味は人心掌握。
彼はかつて月を踏んだのだという
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あの子はその子でその子はこの子この子はどの子でこの子はわたし?
わたしはどの子でその子はこの子この子どこの子あの子はその子
ああ うるさい 声が 歌が うるさい
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「月踏さんはね、骨と宝石でできているんですよ。触れるとさらりとした骨の感触が肌に吸い付いて…ああ、本当に素敵なの。そしてなんと言っても彼の瞳!見つめられると…ああ会いたいわ月踏さん。あの無数の骨で愛撫される喜び。やさしいお声。きっと私が彼に一番愛されているの。ほら証拠の白い牡丹よ。ああなんて綺麗」
「月踏様は昔はひどく壊れた方でしたよ。口調も態度も顔を合わせるたびに違っていて、不安定でした。ひとつの体にたくさんの自我がひしめき合い、彼の自我は早々に壊れていたのでしょう。それがみるみる回復されたのは、壊雅様に壊されて自分を組み立て直した後からでしょうね。粉々になった骨からよくもああ器用に作り直したものです。ええ、勿論お手伝いさせていただきましたよ。彼に残されたのはたった3本の指だけだったのですから。私が最も彼に信用されているのです。月踏様から贈られた白い牡丹は今も鮮やかに咲いているのですからね」
「月踏はさ、親父さんの銀雅さんに似て寂しがり屋だと思うんだよ。よくさふらりと俺の家に来てさ手を握ってくるんだよ。あったかいっつてな。寒がりなやつってのはみんな寂しいって思っているもんだ。だから俺はあいつをあっためてやるんだ。…ん?ああこの傷か。月踏がな見たいって言うから切らせてやったんだ。心の臓なんていくらでも見ればいいさ。俺の中まで見たいなんて変わったやつだよなぁ。まぁそんな風にねだってもらえる俺は、きっとあいつの特別なんだろうな。こんな白くてきれーな牡丹までくれちゃってさ」
「そう言って貴方を慕う彼らは、皆白い牡丹を持ち、胸元からは白い糸が見えました」
――――ああ、そうだ我らは愛し子の鼓動が脈打つのがすきだから
「先ほどの小さな骨兎も貴方なのですか」
――――ああ、そうだよ。来てくれて嬉しいよ。ゆっくりしていきなさい
「いえ、結構」
――――つれないね。まぁいいさ。ほら花をあげよう。また、おいで
「どうして僕も彼の元へもう一度行ってしまったのでしょう。花を受け取らずに帰ったのに。
あの声が姿が頭から離れないのです。彼の手で、僕も切り開かれたい。
あの骨で心臓を愛撫されるのはどんな心地なのでしょう…」
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幾多の骨が 震えても
奥へと 消える 音の波
きこえない きかせない
この 歌は つたえない
雑音 轟音 絶唱
ただ 骨が打ち合う音
譜面に 音は 落ち行きて
からだは 月へと うきあがる
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◇素敵なご縁をいただき婚姻いたしました…!
骨山翡翠さん【illust/43213788】
「お前にあたたかな血を与えられないこの身がひどく疎ましい…分け与える血肉がないのは寂しいことなのだね、こやま」
「シロはかわいいねぇ…よしよし…ふむ…骨兎をいくつか砕いて骨犬を作ろうか…ああ、いや冗談だよ、多分」
遠く 遠く 音がする
花弁が 風が 枝々が
かなしいほどに 響くから
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――――ああ、こやま、久しぶりだね
急に消えるなって?
ああ…すまない月が我らを呼んで鳴くものだから、つい浮き上がってしまったのだ
我らの浮力は増すばかり…ほら、またこの身は浮き上がる
身の内の宝石だけではこの地にとどめてはおけぬようだね
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――――ああ、こやま、会いに来たよ
ああ、手は握らなくていい、この骨の冷たさでお前が凍えることはない
桜が、あの日と変わらず舞っているね…
壊れた自我にもこの桜はとても鮮明で
この“のうなし”の骨にも焼き付いたようだね
綺麗だね…こんなに綺麗な桜には、白い牡丹などいらないだろう?
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――――月よりも強く我らを呼んでごらん
途切れないように その鼓動を奏でて
我らを桜の海に 沈めてごらん
風吹き抜けて 桜が骨に ふれるとき
どんな音がするのだろう
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こぼれ落ちる 音
あわい 桜に ゆれる骨
ひとつ ふたつ と
あふれ あふれて 沈みゆく
奏でる さまよう 惹かれあう
桜は 空を 舞い踊り
白い牡丹が その手に落ちる
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◆家族構成【novel/3786797】
◆友人関係などものんびり募集しております。
◆お返事は即日~3日以内にさせていただきます。
2014-04-30 16:34:31 +0000