「私たちの勝利だぞ、テナ」
破顔する団長の言葉に、私は知らず知らずへたり込んだ。
どうやらずっと張りつめていた糸が途切れたらしい。
敵軍は、と問えば、一時撤退したようだとの答えが返る。
「今度は守れたじゃないか」
山の向こうから透明な風が吹き抜けてゆく。
リベリスの御旗の色をした空に、団長の鮮やかな髪が揺れる。
まだ戦いは終わっていないということは知っている。
それでも、なんて美しい景色だろうと思った。
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お借りしました。
●フリージア彩華騎士団
・フリーディア団長【illust/41859006】
団長をファーストネームで呼んでどつかれる五秒前。テナ【illust/42502360】
「あッ、わ、悪かった。……気が緩んだんだよ、今までずっと緊張していたんだ」
2014-04-07 14:50:35 +0000