【illust/4211492】の続き…
■日本皇国は、無条件降伏を受諾した。
■その夜、占領政策部隊の女性スタッフたちは、接収した宿舎の一角で
三日ぶりにミーティングを開いた。
甘いホットチョコレートに御法度のアルコールを少量…
それがこのミーティングには欠かせない。
■イマムラたちは徴発した日本人通訳を気遣い、戦勝の話題を避けたが、
彩夏たちの表情は明るかった。
それどころか、いつもは能面のような彩夏が、声を出して笑っている。
「……この程度で酔ったのか?」イマムラは驚き、やがて理解した。
■彩夏たちは自由統一政府のイデオロギーに感化されたわけではない。
むしろ自分たちの国が歴史から消されてしまった事に、
多くの日本人と同様、極めて土俗的な憤りを感じていることだろう。
だが、なによりも同胞を裏切っているという圧倒的な重圧感から、
日本皇国の降伏によって彼女たちは解放されたのだ。
■「さて……これからが占領政策部隊の正念場だ……」
彩夏とは対照的に、イマムラは味のしないホットチョコレートを口に含んだ。
2009-05-10 14:23:23 +0000