第一次星間大戦

いぬい

『モズーリーダー、チェックシックス! ブレイク、ブレイクしろ』 「だめだ、ここであの敵集団を撃ち漏らしたら後続のマクロスが十字砲火に晒される。各機このまま編隊を維持、俺が戦死したらモズー2貴様が攻撃の指揮を執れ………………ん?まだ生きている?」 『#$%&!』 「ゼントラーディ語……あの戦闘ポッドが助けてくれたのか。奴らが、巨人どもが、俺を……」 『……&%…&$#*……』 「フフッ、ありがとよ、ゼントラーディ…いや、戦友」 『!???』 「誰か知らんが約束する、無事に帰れたら一杯おごるぜ。必ずだ」 『*+@##!!』 「だから死ぬなよ。じゃあな!」 ■2010年初頭、人類は滅亡の危機に瀕していた。地球へ侵攻するボドル基幹艦隊は総艦艇数百万隻に及ぶと予想され、同盟ゼントラーディ軍部隊を含め千隻にも満たない統合軍には万に一つの勝ち目もなかった。そうした中、マクロスの幕僚部からある作戦計画が提出される。それは驚くべき内容だった。地球文化の映像や音楽をあらゆる手段で敵全艦隊に配信して混乱を引き起こしその隙を突いて敵旗艦及び司令官ボドルザーを撃破して指揮中枢を破壊するというものだったのだ。可変戦闘機隊からでた意見具申だったが、これを聞いた統合軍の司令部要員らはあまりの突拍子さに唖然とした。ゼントラーディ人が地球文化に強烈なカルチャーショックを受けることは知られていたが、しかし本当にうまくいくのか? ある者は一様に首を捻りまたある者はあからさまに揶揄の対象にした。だが作戦を立案した同盟ゼントラーディ人参謀は本気だった。この絶望的な戦力差で人類を救うにはこれしかないと確信していた。幸か不幸か他に有効な案がないまま時が過ぎ計画はいつの間にか具体的なものになっていった。そして同年2月、ついにボドル基幹艦隊が太陽系へ来襲するに及びこの前代未聞の大作戦「鈴明美」(配信する歌を歌うシンガーの名前から取られた)はスタートした!

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2014-02-04 07:57:10 +0000