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遠征終了後の鎮守府の廊下で。
提督に、今回の遠征の報告――失敗してしまったのだが――を済ませた後、二日ほど休暇を頂いた。
40時間という長い遠征を失敗させてしまった旗艦の高雄は、執務室から出てくるなり私の手を引くと、居室のある寮へ速足で向かっていく。
――――やっぱり、アレが原因かしら?
遠征中、我慢できずに高雄を摘み食いしてしまったあたりから―――高雄の調子が狂っていたように感じていた。
細かいミスを連発し、――――それが、今回の失敗の原因であろう、と私は考えていた。
――――素直に謝ろう。
私の所為で失敗した、と一方的に責める高雄ではないとわかっていても、暫くの夜戦や――――イチャイチャの自粛――――という措置を高雄が考えてしまうかもしれない。
それは困る。大いに困る。
ただでさえ、任務中にも関わらず――――ムラムラしてしまって、我慢できず遠征中に高雄を摘み食いしてしまったくらいの私が、コレ以上のお預けは耐え切れない。
そう悶々と考えていると、急に高雄が立ち止まった。
漸く、重巡洋艦の寮に着いたようだった。
私たちの居室へはまだ歩かなければいけないが、謝るなら今、と考えて口を開こうとしたその瞬間
――――高雄に、壁に押し付けられていた。
「愛宕」
『え?』
真剣な――しかし僅かに朱に染まった――表情の高雄の顔が近づく。
いきなりのことに呆気にとられていると、そのまま高雄が続ける。
「あのね、私もう待ちきれないわ」
『た、高雄?』
「遠征中ずっと愛宕の事が、頭から離れなくて」
『ご、ごめんたか』
「もう我慢できないの。責任、とってね」
まだ、外なのに。
私を抱きすくめると、高雄の柔らかい唇が私の唇に重なる。
ふわりと香る高雄の匂いで、私は遠征中ずっと我慢していた昂ぶりを意識した。
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本日は素晴らしい愛高(あたたか)を日々お描きになられていらっしゃいます、
うどん提督様(user/5278770)のお誕生日ですよ!!!!おめでとうございますあたたか!あたたかぁ!
前回の愛宕×高雄の新刊(illust/40907815)(illust/40909751) とらのあなさんで委託始まりましたので
私もこっそりと宣伝http://www.toranoana.jp/mailorder/article/04/0030/18/42/040030184283.html
2014-01-25 06:08:49 +0000