旧 清水 伝助そのころの時代、ツェッペリンやヒンデンブルグ等のように枠組構造や気嚢を持つ輸送機、空母は多かった。 しかし航空技術の向上に伴い、国内の経済危機により生まれた空賊への対処が追いつかなっかため、その多くが撃墜されてしまった。 ・・・性能に対する問題は幾つか挙がるも、造船業社はこれまでの構造を持った飛行船を改良させるには、対処にあまりにも手間がかかると判断し、ある程度の積載量を持った小型多目的戦艦を開発するという名目のもと、全く新しい構造を持つ船の設計が進められた。 ・・・そしてウロキエルカ社によって完成したのがこの小型戦艦、クリムゾンプライドである。一機しか飛行船を搭載できないものの、気嚢を持たないこの鉄の塊を高速で飛ばしつつ戦闘艦としての役割をこなした当機は、後の造船技術に大きな影響を与えた。 ・・・しかしこともあろうかそれを民間に売りつけてしまったのがまずかった。この行為は然る機関に速やかに知られ渡り、クリムゾンプライドはおろかウロキエルカ社さえも幻の存在となってしまったのである。
2009-05-02 14:17:47 +0000