……そういえば、ツィタン山脈に採取に行った時、眠ったままの春妃を見た事がある。雪山の麓の岩壁に挟まれ、髪の毛も腕もまるで磔にされたようだった。■聞いた話では、あの辺りには以前ラッセの花の群生地があって、恐らくその香りに引かれて、少し奥まで入り込んだのだろう。そして、花の咲く髪の毛が岩に引っかかり、恐らくそのまま春が終わり――次の春を待っているのだ。けれど、彼女にとっては不幸な事に、その冬の嵐で木々が倒れ、ラッセの花は荒れ、風向きが変わった。彼女の目覚めを促す香りが、届かなくなったのだ。■恐らく、彼女はまだあそこに居るだろう。そして、記憶にある限り、彼女の花はまだ枯れていなかった。「あてもなく探すには、あの高原は広いし。丁度あの辺りに、いい木材があるし。この戦で需要が増えた上、戦が終わればますます物資が不足するだろうし……、って、おれは一体誰に言い訳してるんでしょうね」■そんなわけで、思いついたままに春妃の一族描いてみました。素材屋(illust/3640432)は高原に行ってきます。……えっ、護衛? でかいから大丈夫じゃない……かな?■私はどうも、髪の毛などで顔が隠れたりしているのが好きらしいです。あと「眠った巨人=ガリバーのはりつけ」が頭にありました。そのまんまです。
2009-04-28 11:10:38 +0000